大国主命の兄弟と一緒に、いなばの国へ行く途中、毛をはがされたうさぎに出会いました。いじわるな兄弟は「海の水で体を洗い、風の吹く高い山のてっぺんでかわかしたらいい」とうさぎに言いました。
言われたとおりにやってみると、体がひりひりとしみ、その痛いこと痛いこと。
そこへ通りかかった大国主命は、「どうしたの、うさぎさん」とやさしく声をかけました。うさぎは、「私はおきの島からなんとかいなばの地へ渡りたいと考え、ワニザメをだまし、その背を踏んでやってきたのですが、それがばれて毛をむしりとられました。そして、あなたの兄弟の言うとうおにしたら、今度は体中が痛くて苦しいのです」と答えました。大国主命は「早く真水で体を洗い、ガマの穂をつけてごらん」といい、うさぎは言われるとおりにしました。するとうさぎは、元のきれいな姿にもどることができました。
これがいなばの白うさぎで、鳥取市の白兎神社に「ウサギ神」としてまつられています。
とりっ子通信第16号より