4月17日(土)午後1時30分から、当センターにて、第1回まいぶん講座「いにしえの田園風景(春)」を開催します。
これは、先週開幕した企画展「いにしえの田園風景(春)」の展示を基にした内容となっています。発掘された遺物、遺構などから、春から夏にかけての農作業を「田を起こす」「農具のつくり方」「田起こし・代掻き(しろかき)の工夫」「田に入る」「田植えの風景」の5つに分けてお話します。また、単なる農作業だけでなく、木工技術やジェンダーなどの視点も交えた興味深い内容となっています。なお、講座終了後には企画展の展示解説も予定しています。事前申し込みが必要ですので前日までに、当センターまでお申し込み下さい。
コロナ禍の中、参加人数の制限等の対策を行っています。参加者の皆様には、マスクの着用や手指の消毒、検温などに御協力いただきますようお願いします。
桂見鍋山遺跡(鳥取市)水田跡(古墳時代)
青谷横木遺跡(鳥取市)出土鉄製U字形刃先
松原田中遺跡(鳥取市)出土木製鍬先(製作途中)
例年より早い満開の桜とともに、令和3年度が始まりました。今年度も当センターでは最新の調査研究成果を県民の皆さんにお届けする「鳥取まいぶん講座」を開催します!今年度は、二か月に一度の開催で、計6回の講座を予定しています。
前半は、当センターが行っている出土木製品の保存処理や調査研究の成果から、弥生時代~古代の米作りや当時の器に関わる内容です。また、後半は、今年度実施する遺跡の調査研究事業に関連し、因幡(鳥取県東部)の古墳、古代、中世城館についての講座です。いずれも企画展示と関連する内容となっていますので、講座終了後には展示解説も行う予定です。どうぞお楽しみに。
なお、講座は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、完全事前申込み制としています。聴講を希望される方はお早めにお申込みください。申込み多数となった場合には会場を変更することがあります。その場合はホームページ等でお知らせします。
○第1回 「いにしえの田園風景(春)」
日時 4月17日(土)午後1時30分から午後3時まで
場所 埋蔵文化財センター2階研修室
定員 28名
申込み方法:当ホームページイベントのイベント・講座申込みフォーム
電子メール、電話、ファクシミリ
※詳細はチラシをご覧ください。
○関連展示 企画展『いにしえの田園風景(春)』
(4月9日(金)~5月28日(金))
なお、今年度から、第1・3土曜日午後の特別開館に加え、第1・3金曜日の夕方は、開館時間を延長します(午後7時まで)。これから日も長くなりますので、仕事帰りあるいはお散歩がてら、どうぞ御利用ください。
チラシ (pdf:194KB)
旧因幡部における平成の大合併では、岩美郡の岩美町と八頭郡の多く、智頭郡智頭町とが鳥取市との合併を選択せず、独立存続の道を歩みました。
実は、今から500年前の因幡では、それとほとんど同じ行政区分図が存在していた、と言うのですから驚きます。
中世戦国時代は、江戸時代に池田氏が因幡・伯耆全体をまとめたような一円知行ではありませんでした。
特に他の地域に比べて、岩美と八頭には、由緒正しき家柄の者の多くが、幕府から奉公衆(將軍の護衛・親衛隊)に任じられていました。奉公衆は身分上、守護とは対等の地位を与えられ、法的にも手厚く保護されていました。旧巨濃・八東郡には、そうした奉公衆が肩寄せ合うように基盤地をもっていました。
特に八東郡を地盤とする奉公衆は、守護の支配下に入る事を嫌う、独立心旺盛な者たちで、奉公衆相互が団結し、守護権力に刃向かう歴史を長く繰り返しました。
このため、因幡守護の山名氏や、因幡山名を滅ぼして進出した但馬山名氏、これと決別した武田高信も、彼らとの対決に苦心することととなり、結局は戦国大名としての道が塞がれてしまいました。
今回の講座は、奉公衆の動向から中世戦国時代の歴史を見つめ直し、奉公衆の城から、更なる拠点城郭への進化を考えていこうとする試みです。
講師は、中世史研究家で、委嘱を受けて岩美町の城を悉皆調査され、八頭郡の城も独自に踏査されており、聞き取りやすく、一般にも分かりやすく説明されると定評のある高橋正弘氏です。
中世戦国時代の因幡の歴史、因幡の城を考えるのに又とない講座です。多くの皆様のご参加をお待ちしています。
⇒まいぶん講座チラシ(376KB)