成年になったばかりの18歳・19歳の若者が、社会経験の少なさから契約トラブルに巻き込まれることが心配されており、注意が必要です。困ったときはお気軽に、消費者ホットライン「188」へご相談ください。
民法改正により、2022年4月1日から、成年年齢が18歳に引き下げられました。鳥取県弁護士会の橋澤弁護士に、成年年齢が18歳になることによる影響や、契約に関する注意点などについて解説していただきました。
【動画リンク】とっとり動画チャンネル「18歳・19歳も気をつけて!成年年齢引き下げによる契約トラブル(4分)
未成年が親の同意を得ずに契約した場合には、民法で定められた未成年者取消権によってその契約を取り消すことができますが、成年になって結んだ契約は未成年者取消権の行使ができなくなります。そのため、悪質な業者が新成人をターゲットに、不当、過重な契約をさせようとすることが想定されます。
トラブルに巻き込まれないためには、契約について理解し、その契約が必要かよく検討することが大切です。
★もっと詳しく知りたい方へおすすめ!
【動画リンク】弁護士による成年年齢引下げの解説(令和3年度に県内高校で実施した弁護士による出前授業)
「18歳から大人!かしこく買物!弁護士が教える「成年年齢の引下げ」」(44分)
他にも、成年年齢引き下げによって変わること、これまでと変わらないことなどがあります。
若者に多いトラブル事例や注意点などは、ページ下部をご覧ください。
2018年6月に、民法の定める成年年齢を18歳に引き下げること等を内容とする「民法の一部を改正する法律」が成立しました。改正法は、2022年4月1日から施行されます。
これにより、施行日である2022年4月1日の時点で、18歳以上20歳未満のかた(誕生日が2002年4月2日から2004年4月1日までのかた)は、施行日に成年に達することになります。
~2002年4月1日生まれ |
2002年4月2日~
2004年4月1日生まれ
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2004年4月2日~生まれ |
20歳の誕生日に成年 |
2022年4月1日に成年 |
18歳の誕生日に成年 |
民法が定める成年年齢には、「一人で有効な契約をすることができる年齢」という意味と、「父母の親権に服さなくなる年齢」という意味があります。
未成年者が契約を締結するには父母の同意が必要であり、同意なくして締結した契約は、あとから取り消すことができます。また、父母は、未成年者の監護および教育する義務を負います。
民法が定める成年年齢を18歳に引き下げると、18歳に達した者は、一人で有効な契約をすることができ、または、父母の親権に服さなくなることとなります。
また、改正法では、女性の婚姻開始年齢(結婚することができるようになる年齢)についても見直しをしています。婚姻開始年齢は現在、男性18歳、女性16歳とされていますが、女性の婚姻開始年齢を18歳に引き上げ、男女とも18歳にならなければ結婚することができないこととしています。
なお、2022年4月1日時点で既に16歳以上の女性(誕生日が2006年4月1日までの女性)は、引き続き、18歳未満でも結婚することができます。
(参考)法務省ホームページ(民法改正、成年年齢の引き下げ)
(パンフレット PDF2621KB)
2022年4月から、成年年齢が20歳から18歳に引き下げられました。未成年者が親権者等の同意を得ずに契約した場合には、民法で定められた未成年者取消権によってその契約を取り消すことができますが、成年になって結んだ契約は未成年者取消権の行使ができなくなります。
全国の相談の傾向(国民生活センターHPより抜粋)
全国の消費生活センター等に寄せられる相談をみると、20歳代の相談件数は未成年者と比べて多く、その契約金額も高額です。また、未成年者にはあまりみられなかった「エステティックサービス」「医療サービス」などの美容に関する相談や「内職・副業その他」(オンラインカジノ、副業サイトなど)、「ファンド型投資商品」(暗号資産(仮想通貨)への投資など)等の儲け話に関するトラブルが多く寄せられています。こうしたトラブルに成年になったばかりの18歳・19歳も巻き込まれるおそれがありますので注意が必要です。
若者の消費者トラブル(国民生活センターHP)
若者向け注意喚起シリーズ
国民生活センターでは、若年者の消費者トラブル防止に資する注意喚起情報を紹介しています。
国民生活センターHPへのリンク
成年年齢引き下げに関する情報、若年者の消費者トラブル防止に資する情報、消費者教育教材などが掲載された特設ページです。
消費者庁HPへのリンク
消費者庁では若年者層の主要なコミュニケーションツールであるLINEを活用し、若年者層を中心とした消費者に積極的にアプローチしていくため、消費者庁LINE公式アカウント「消費者庁 若者ナビ!」を開設・運営しています。消費者トラブル関連の情報発信等を行い、速やかで正確な情報の普及を目指しています。
消費者庁HPへのリンク
国民生活センターでは、消費者問題・暮らしの問題に取り組む機関として、消費者へ生命・身体・財産等に係る注意喚起情報等について、より早く、より広く伝えるため、ソーシャルメディアの公式アカウントを取得して情報発信を行っています。
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