当県では、ヤングケアラー、産後うつ、老々介護、8050問題をはじめとする課題について、地域の絆を活かして対策を行い、困っている人にちょっとした手助けを行うあいサポートの精神で孤独・孤立を防ぎ誰一人取り残さない社会をつくる「鳥取県孤独・孤立を防ぐ温もりのある支え愛社会づくり推進条例」を制定しました。(2022・令和4年12月22日可決、同月26日施行、2023・令和5年1月1日施行)
なお、本人及び家族・援助者の支援に一体的に取り組む条例は全国初です。 |
近年、核家族化の進行、都市化の進展、社会の高度化・複雑化等により、とりわけ
・家庭内における過重な介護等の負担により学習や就業に支障を来しているヤングケアラーといわれる若者
・子育てにおける孤立感等が原因となる産後鬱を発症する方
・高齢者が高齢者を介護する老老介護をする方
・高齢の親が中高年のひきこもり状態にある子を支える8050問題といわれる身体的または精神的負担を負う方
などが、本人が望まない孤独を感じ、または孤立していることが、大きな課題として認識されるようになりました。
鳥取県孤独・孤立を防ぐ温もりのある支え愛社会づくり推進条例
これらの課題は、本人や家庭内だけで解決することは容易ではありません。周囲の理解を深め、協力を得ながら、共に支え合い生きる「支え愛」の理念の下、個々の県民生活の実情に即したきめ細やかな対策が必要です。
県、市町村、県民、事業者、関係団体等及び民間支援団体が一体となって、全ての県民が望まない孤独を感じ、または孤立することを防ぎ、人々の絆を活かし、援助を必要とする者の存在に気づいて、必要な支援を行う誰一人取り残さない社会づくりを推進することで、全ての県民がふるさと鳥取で安心して暮らし続けることができるよう、条例を制定しました。
家族のなかで支援をする方や受ける方(当事者)、支援団体などによる研究会を開き、団体へのアンケートやご家族への調査により実態やご要望を調べ、住民に身近な市町村との意見交換を重ねながら、条例案を作成しました。
条例案は鳥取県議会で2022・令和4年12月22日に可決され、同月26日に公布、2023・令和5年1月1日に施行されました。
「人間と人間が理解と愛情でむすばれるような社会をつくりたいと願う」。1914・大正3年、鳥取県に生まれ、1946・昭和21年近江学園を創設した故・糸賀一雄は、死の7か月前に発行した「福祉の思想」の中でこう述べています。この言葉を引き継ぐ条例の趣旨に共感いただき、県や市町村などの施策にご協力いただきますようお願いします。