現在、地球規模で生物の生息地の破壊、気候変動、大気汚染などにより、「生物多様性」の損失が深刻となっています。このまま進行すれば、生態系の崩壊を招き、人間の生活にも大きな影響が及ぶことは避けられません。
「一昨年の12月にカナダ・モントリオールで開催された「生物多様性条約第15回締約国会議」は、30by30(サーティ・バイ・サーティ)という新たな世界目標を提唱。2030年までに生物多様性の損失を食い止め、陸と海の30%以上を健全な生態系として効果的に保全するという内容です。
こうした世界の流れからスタートしたのが「自然共生サイト」。30by30の目標達成を目指し、地域住民組織などの取り組みによって、生物多様性の保全が図られている区域のことで、環境省が令和5年度から認定を開始しました。
県内では昨年10月に「南部町里地里山ビオトープ」と「鳥取県八頭船岡環境保全エリア」の2件が初認定(中国地方ではこれらを含めて3件)。自然共生の推進に向けた機運が高まり始めています。
県では、自然共生サイトの認定を目指す団体や、既に認定を受け活動している団体などを対象に、申請に必要な準備にかかる費用や地域での勉強会開催のための経費の半分を支援するとともに、団体への支援に関心のある企業とのマッチングを進めています。
豊かな自然を守り伝えるために私たちにできること。今こそ、考える時に来ています。
※ビオトープ ドイツ語で生物生息空間の意。
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