このたび、桐林上席研究員の研究論文「葉枯らしによるスギの材色改善効果」が木材工業に関して最も権威あるジャーナルである日本木材加工技術協会発行の学術誌「木材工業」誌第79巻第7号に載録されました。
伐採直後のスギは木口が暗い色になりがちですが、葉枯らししたスギ材は「色が良い」といわれ、木材市場で高値がつきやすいとされています。しかし、どの程度の期間スギを葉枯らしすれば「色が良い」といわれるようになるのか、具体的な効果やその発現に必要な葉枯らし期間などは不明でした。(関連記事:「令和のスギ葉枯らし」リーフレット作成しました。)
そこで実際の山林内で6本のスギを葉枯らししながら、定期的に木口の心材部を少しずつ切り取って新鮮な切り口を作り、切断一週間後の変色の程度を色彩計で計測しました。その結果、葉枯らしを開始してから2ヶ月以上経過すると切り口の変色が軽減することがわかり、造材後の丸太の木口の変色を軽減するためには、2ヶ月以上葉枯らしをすると効果的であることが明らかになりました。
▲木口心材部から新鮮な切り口を作る様子 ▲葉枯らししたスギ(左2本)と通常伐採のスギ
「木材工業」誌第79巻第7号(目次)へのリンク
https://www.jwta.or.jp/publication/journal.html?y=2024&m=7