むかし、日野町黒坂の光明寺の近くの「カワコふち」にカッパが住んでいました。このカッパは、とてもいたずら好きで、すぐそばの道を通る人や馬をときどき川の中に引きずりこんではおもしろがっていました。
カッパのいたずらがあんまりひどいので、和尚さんは、「おめえはいつも悪さして、今日という今日はゆるさん!」とついに怒りました。カッパは「もう悪いことはしません。どうかこらえてください」と泣いてあやまりました。和尚さんは、「では、わしがおまえの姿をあの岩にほっておく。それが消えてなくなるまではぜったいにふちから出てきたらいけんぞ」と言いました。カッパは仕方なく頭をさげおとなしくしていましたが、ある晩、こっそり岩に登り、自分の姿をけそうとしました。しかし、岩にほったものが簡単にきえるわけがありません。とうとうカッパはあきらめて、どこか遠くに逃げていきました。
このカッパの姿をきざんだ岩は今でも残っており、「カワコ岩」と呼ばれています。
カワコ・・・カッパの別の呼びかた
とりっ子通信第17号より