大中型まき網漁業
総トン数40トン以上の動力漁船によりまき網を使用して行う漁業である。昭和62年の取扱方針改正により、山陰沖一体が含まれる西部日本海区等では、適用船舶が135トン未満と大型化したのに伴い、灯船、運搬船ともに大型化している。
- 漁期 周年
- 漁獲物 マアジ、サバ類、イワシ類、クロマグロなど
- 漁場 主要漁場は山口県沖から隠岐島周辺海域
- 漁法 通常、網船(135トン未満)1隻、灯船(40~80トン)2隻、運搬船(200トン前後)2隻の5隻で1船団(1ヶ統)として操業を行う。
操業は、日没頃漁場に到着するよう出港し、目的の漁場に到着すると、各船広範囲に魚群探索をおこない、魚群を発見した船は、網船をはじめ船団全般に通報する。灯船は水中集魚灯で集魚を開始し、魚群の状況を随時網船へ連絡する。一方、網船は、自らも集魚灯の周りを旋回しながら魚群の状況を探知し、投網の時期を見計らって投網を開始する。
投網は、集魚中の灯船を中心に通常潮下から右旋回で包囲する。投網終了後、魚群の逃走を防ぐため、直ちに締結ワイヤーを両端から巻き込み、環締めして網底をしめる。揚網は大手側から船尾に繰り込み、徐々に網を縮め魚群を魚捕部に導き、網を締め終わると運搬船が近づき、網船との間に網を挟んで漁獲物を船内にくみ上げ、1回の操業を終える。1晩の操業回数は、1~2回である。
また、昭和57年(1982)から、クロマグロを対象として操業が始まった。概ね6月下旬から8月上旬にかけ、北上してくる魚群を追って、山陰沖から北陸沖まで追跡していく。
漁具の仕立方は、他の魚種を対象としたものと大差はないが、網地、資材等に大幅な相違があるので、参考に図示する。
漁法は、視認により魚群を発見し、操業を行うことが多いため、ほとんど昼間操業である。操業方法は、他の魚種の場合と大差はない。