11月20日、東伯郡琴浦町赤碕に所在する赤崎台場跡を史跡鳥取藩台場跡に追加指定するよう、国の文化審議会(会長宮田亮平)が文部科学大臣に答申しました。
「台場」というのは、江戸時代の終わりに、幕府や各地の藩が外国船からの防衛のために海辺に造った砲台です。鳥取藩でも、文久3(1863)年から元治元(1864)年にかけて9箇所の台場が造られています。このうち、境台場跡(境港市)、淀江台場跡(米子市)、由良台場跡(東伯郡大栄町)、橋津台場跡(東伯郡湯梨浜町)、浦富台場跡(岩美郡岩美町)が既に「鳥取藩台場跡」として国の史跡に指定されています。今回の答申どおり赤崎台場跡が追加指定されると、鳥取県内で現存が確認されている台場跡はすべて国史跡となります。
現在、赤崎台場跡は埋め立てられていて造られた当時の姿は見られませんが、平成26年に発掘調査をしたところ、埋めたて土の下に幕末の遺構が残っていることが分かりました。しかも、幕末に描かれた台場の絵図と形や大きさが大体一致することも分かっています。
発掘調査の成果などを踏まえ、幕末の鳥取藩の状況を示す資料として学術的に重要で、幕末における地方の社会情勢を象徴する遺跡として全国的に見ても重要であると評価されて、今回の答申が出されました。
これから琴浦町教育委員会が中心となって、史跡指定後の活用計画を検討する予定です。
平成26年度の発掘状況(南から)
海岸から見た赤崎台場跡(北西から)