5月15日から19日の5日間、兵庫県の海洋調査船 但州丸と第一鳥取丸との共同で沖底トロールによる並行操業を実施しました。
限りある資源を安定的に利用するためにズワイガニは漁獲可能量が決まっています。
但州丸はその漁獲可能量を決める重要な資源量調査を担っており、将来的に本船でこの調査の一部が実施可能かどうかを判断するための共同調査です。
今回は隠岐の島の西側の海域12箇所の調査を実施しました。
初日は生憎の海模様です…。
こちらの船は共に調査を実施する但州丸です。
ファンネル(煙突)が両舷に分かれているので、甲板上のスペースを広く使うことができ、とても作業しやすそうな船と言った印象です。
本調査は海底付近に生息する魚種が対象となりますので、海底付近の水深帯を安定して曳網する必要があります。
そこで水深を計測する事ができるPIセンサーをトロール網に付け、いざ投網!
先ほどのPIセンサーを付けた網は時系列に沿って青線でグラフに表示されますので、どの水深帯にトロール網があるのかを知ることができます。
平行操業の様子です。
レーダー画面上の白線が船舶の航跡になります。
但州丸が先行して曳網し、本船は但州丸の曳網した航跡から平行に50m離れた進路を曳網します。
曳網開始から30分後。
甲板上に網が揚がってきました。
この網ではカニが多く入りました。
カニはオス・メスに選別され、オスは甲羅の幅と爪の幅を測定し、メスは甲羅の幅と内卵や外卵の状態を記録します。
二人一組で効率よく甲羅幅と爪幅を同時に測定し、カニが元気なうちに再び海に放流します。
他にもホッコクアカエビやノロゲンゲなど、深海ならではの魚種も多く漁獲しました。
但州丸との調査も毎年の恒例になりつつあり、今年で4年目になります。
お互いの息もピッタリ合い、無事何事もなく調査を終えることができました。