胃切除により残胃癌を摘除した患者さん・ご家族の皆さんへ
「残胃癌患者の予後予測に関する検討」について
はじめに
鳥取県立中央病院消化器外科では、胃癌と診断され2000年1月1日から2016年12月31日までに、胃切除既往を持ち、残胃で組織学的に胃癌と診断され胃切除により胃癌を摘除した患者さんを対象に、カルテ、手術記録、看護記録等(以下、「カルテ等」といいます)の診療情報から得られる情報をもとに研究を実施しています。
この研究は鳥取大学医学部倫理審査委員会の承認を経て、医学部長の承認を受けており、山陰地区の医療機関と協同して行っています。詳細は以下のとおりです。
1. 研究概要および利用目的・方法
本研究では、2000年1月1日から2016年12月31日までの期間に、山陰地区の医療機関において、胃切除既往を持ち、残胃で組織学的に胃癌と診断され胃切除により胃癌を摘出した患者さんのカルテ等から、情報を集めさせていただき、「残胃癌患者さんの年齢性別進行度などの臨床病理学的因子や血液検査などから、予後予測に関連する因子」について調査を予定しています。
すべての情報は、鳥取大学医学部附属病院に電子的に送付され、集計されます。なお、情報は、研究代表者が責任を持って保管、管理します。
本研究に参加される患者さんは、他の研究参加者への個人情報保護や本研究の独創性の確保に支障がない範囲で、研究計画書及び研究の方法についての資料を入手又は閲覧することができます。希望される方は、遠慮なく問合せ窓口にお申し出ください。
2. 取り扱う情報
患者さんのカルテ等の診療情報から以下の項目を集めさせていただきます。
【患者さんの情報】
- 性別
- 診断時所見(年齢、身長、体重、確定診断日、診断方法、病理診断、初回手術所見、初回手術からの期間)
- 手術前所見[体重、ECOG PS、腫瘍マーカー(CEA, CA19-9)、胃透視/胃カメラ/CT/MRI所見、臨床診断(Stage)]
- 合併症、既往歴
- 手術前の以下の血液データ(白血球数、好中球数、リンパ球数、血小板数、単球数、総蛋白、アルブミン、CRP、BUN、クレアチニン、総コレステロール、コリンエステラーゼ、CPK、PDW、RDW、MPV)
術前化学療法の内容、放射線治療の内容、術後補助化学療法の内容、臨床病期など
【手術時の情報】
リンパ節郭清程度と摘出リンパ節数、総手術時間、推定出血量、手術時期、輸血の有無、術後から立位・歩行・飲水・食事開始までの期間、術後の入院期間、術後の血液検査データの推移、術中・術後の合併症、切除断端陽性の有無(癌を残さずに切除できたか)、再発や転移の有無 など
【病理所見】
深達度、リンパ節転移、肉眼型、腫瘍最大径、組織型、リンパ管浸潤、静脈浸潤、浸潤形式
3. 研究期間
この研究は、鳥取県立中央病院長が研究の実施を許可した日から2021年12月31日まで行う予定です。
4. 個人情報保護の方法
患者さんの情報は、研究責任者が責任をもって保管、管理します。また、氏名、イニシャル、住所、電話番号、カルテ番号などの直ちに個人を識別できる個人情報は匿名化*され、本研究では匿名化された情報を使用、提供します。このようにして患者さんの個人情報の管理については十分に注意を払います。
*匿名化について:本研究にご提供いただく情報については、患者さんの氏名、住所、電話番号、カルテ番号など、患者さん個人を直ちに特定できるような情報をすべて削除し、代わりにこの研究用の登録番号をつけます。なお、研究の過程で情報がどの患者さんのものかを知る必要がある場合も想定されます。その場合に備えて、情報と患者さん個人を結びつけることのできる対応表を作成させていただきますが、この対応表は研究責任者によって鍵のかかる保管庫で厳重に管理されます。
5. 研究への情報提供による利益・不利益
利 益・・・今回の研究に情報をご提供いただいた患者さん個人には、特に利益と考えられるようなことはございませんが、研究の成果は将来の残胃癌の治療法の進歩に有益となる可能性があります。なお、情報を使用させていただいた患者さんへの謝礼等もありません。
不利益・・・カルテ等からの情報収集のみであるため、特にありません。
6. この研究終了後の情報の取り扱いについて
今回、集めさせていただく患者さんの情報が医学の発展に伴い、他の病気の診断や治療に新たな重要な情報をもたらす可能性があります。このため、患者さんの情報は、この研究終了後も保存させていただき、他の研究に使用させていただくことがあります。その場合は、新たに研究計画をたてて研究に参加する医療機関の倫理審査委員会での審査を経て、他の研究に使用させていただきます。
情報は、すべての研究が終了し、最後の研究結果が論文等で発表された日から5年間保存します。保存期間終了後は、患者さん個人を特定できない状態にして適切に廃棄します。
7. 研究への情報使用の取り止めについて
患者さん個人の情報を研究に用いられたくない、または研究代表施設への情報の提供を停止したい場合には、いつでも取り止めることができます。取り止めを希望された場合でも、担当医や他の職員と気まずくなることはありませんし、何ら不利益を受けることはありませんので、下記【問い合わせ窓口】までお申し出ください。
取り止めの希望を受けた場合、患者さんの情報を使用することはありません。この場合には、個人を特定できない状態にして、速やかに廃棄させていただきます。
しかし、取り止めを希望した時点で、すでに研究成果が論文などで公表されていた場合のように、結果を廃棄できない場合もあります。
8. 当該臨床研究に係る資金源について
本研究は、鳥取大学医学部附属病院消化器外科の研究費で行っており、特定の企業・団体等からの支援を受けて行われるものではなく、利益相反状態にはありません。
9. 研究成果の公表について
研究成果が学術目的のために論文や学会で公表されることがありますが、その場合も、患者さんの個人が特定される情報は全て削除して公表します。情報の秘密は厳重に守られますので、第三者に患者さんの個人情報が明らかになることはありません。
10. 知的財産権の帰属について
本研究の結果、特許などの知的財産が生じる可能性もございますが、その権利は鳥取大学に帰属し、あなたには帰属しません。
11. 研究代表施設および研究代表者の情報
藤原 義之 鳥取大学医学部 病態制御外科 教授
〒683-8503 鳥取県米子市西町36-1
TEL:0859-38-6567/FAX:0859-38-6569
12. 問い合わせ窓口
本研究についてのご質問だけでなく、患者さんの情報が研究に用いられているかどうかをお知りになりたい場合や、患者さんの情報の使用を望まれない場合など、この研究に関することは、下記の窓口までお問い合わせ下さい。
【研究責任者】
藤原 義之 鳥取大学医学部 病態制御外科 教授
〒683-8503 鳥取県米子市西町36-1
TEL:0859-38-6567/FAX:0859-38-6569
*この研究に関する情報は、鳥取大学医学部附属病院のホームページに掲示しております。
(URL:http://www2.hosp.med.tottori-u.ac.jp/introduction/3107/)
13. 研究実施機関および研究責任者
鳥取大学医学部 病態制御外科 教授 藤原 義之
鳥取県立中央病院 外科 部長(統括) 中村 誠一
鳥取赤十字病院 外科 部長 齊藤 博昭
鳥取生協病院 外科 病院部長 竹内 勤
鳥取県立厚生病院 消化器外科 部長 西江 浩
野嶋病院 院長 山本 敏雄
山陰労災病院 副院長・外科部長 野坂 仁愛
米子医療センター 外科 部長 奈賀 卓司
博愛病院 副院長 角 賢一
日野病院 副院長 佐藤 尚喜
西伯病院 外科 部長 堅野 国幸
日南病院 院長 平岡 裕
安来市立病院 外科 部長 菅村 健二
松江市立病院 消化器外科 科長 若月 俊郎
済生会江津総合病院 副院長 竹林 正孝
浜田医療センター 外科 部長 栗栖 泰郎
益田赤十字病院 外科 部長 塩田 摂成