青谷上寺地遺跡からは、履き物と思われる木器が出土しています。左奥がつま先側、右手前がかかと側と思われ、つま先側を少し幅広になっています。両側面には2対の穴があり、紐を通して足に固定していたようです。また裏には滑り止めと思われる切り込みを入れています。おそらく左足用、サイズは22cmです。素材はスギの木なので、足の動きに合わせて曲がることはなく、履き心地がいいようには思えません。
このような履き物は、弥生時代から古墳時代の初め頃までに限れば、全国で25遺跡から36点出土しているに過ぎません。弥生時代のことを書き記した中国の歴史書『魏志倭人伝』にも、「(弥生人は)皆、裸足」と記されています。特別な身分の人の履き物だったのかもしれません。(続く)
後編はこちら>>> 「弥生人は履き物を履いていたのか?-後編-」