賀露地方卸売市場では1月10日に本年最初の沖底ものの水揚げがありました。
沖底船4隻の水揚げで松葉がに1,000枚、アカガレイ210箱、ソウハチ650箱、ニギス600箱、ヒレグロ(山がれい)145箱(木箱が主)、その他アカムツ、モサエビ、マダラ、ミズダコ等の水揚げがありました。
また、五輝星に選定された立派な松葉ガニ(1.63kgの特大サイズ)も水揚げされていました。
船頭さんから漁場の情報について聞くと、隠岐西方で松葉ガニ、ソウハチ、ヒレグロ、隠岐東方ではニギス、ソウハチを漁獲しているとお話を伺いました
この日、水揚げされたヒレグロは魚体購入し、水産試験場で精密測定を行いました。
ヒレグロの精密測定は今年度から定期的に行っています。この時季のヒレグロは産卵期を迎えているようで、発達した卵巣に粒上の卵が見える成熟個体から、既に抱卵して卵巣が収縮している個体も確認できました。
文献では3-4月が産卵期との報告がありますが、それよりも早い時期に産卵期を迎えているのかもしれません。
胃内容は多毛類、ヨコエビ類、二枚貝類を主に捕食していました。
続いて、翌日の1月11日は網代地方卸売市場の調査に行きました。
網代では沖底船4隻の入港があり松葉がに145枚、アカガレイ760箱、ホッコクアカエビ、マダラ等の水揚げがありました。
網代市場で水揚げの主体となっているアカガレイは赤碕沖の水深250m付近で漁獲しているとのことです。アカガレイは雌の方が大きくなり現在、漁獲の主体となっている体長30cm~35cmの大型の個体は雌で、2~4月の産卵期に向け産卵場となる浅場(水深180~200m)に移動してきている個体が漁獲されているようです。精密測定した雌の卵巣は大きく発達していました。
また、大型の毛ガニ、水揚げされることが珍しい雌の抱卵個体も水揚げされていました。