1月18日(水)のまき網市場日記です。
本日は大中型船8隻、中型船4隻の合計12隻が入港しました。
港は大賑わいで、県営境港卸売市場の1号岸壁から7号岸壁まで漁船でびっしりと埋まっていて、中々見ることができない珍しい状態になっていました。
賑わいの主役はマサバで、本日は大中型船8隻によって1,390トンのマサバが水揚げされ、めでたく2023年第1回目の大漁日となりました。昨年5月22日以来、およそ半年ぶりです。近年、大漁日と言えばマイワシが中心だったので、記録を遡ってみるとマサバ主体による大漁日は2019年1月18日以来、実に4年ぶりとなります。奇しくも4年前の同日ですね・・・
さて水揚物を見てみると、マサバは25cm程度の1歳魚がほとんど。稀に大きな個体もいますが、年明けからずっとこのサイズが水揚げされています。例年であれば、もっと大きさにばらつきがある場合が多いですが、今シーズンは本当にサイズが揃っています。
マサバの中にごく僅かにマアジもいました。その他、中型まき網がブリ類を水揚げしていて、ツバスが主体ですが大きなハマチ・マルゴ銘柄も水揚げされていて、こちらも大変活気がありました。
閑話休題。
いま港を賑わせているマサバですが、漁場は見島近海となっています。境港におけるマサバの漁期は1~2月が中心で、高い水揚量を記録するかどうかは、この時期に隠岐海峡に漁場が出来るかどうかが重要になっています。(なっていました。)
・・・というのも、大中型まき網は広く漁場が選択できますが、中型まき網は島根県沖合でしか操業ができないためです。この時期のマサバの水揚げにおいては、ざっくりと捉えて、中型まき網が隠岐海峡、大中型まき網が隠岐海峡以西または若狭湾などで操業しています。
下に示す図のように、近年は中型まき網の水揚割合が減少し、大中型まき網の水揚割合が増加しています。すなわち、近年は主漁期において隠岐海峡での水揚げが少なくなっているということです。今シーズンは、中型まき網によるマサバの水揚げは今のところゼロです。
当場としては、海洋環境(水温)の予測値から考えて、今漁期に隠岐海峡で漁場形成する可能性は低いと予測していました。現時点においては予測通りになっていますが、今漁期に限らず、継続して同様の傾向が見られ始めていることが気がかりです。
少し暗い話題になってしまいましたが、、、他魚種においても近年は獲れ方が変わってきているとよく耳にします。そういった変化を素早く捉え、資源解析や予測に繋げていけるよう、今まで以上に日々の漁況に注目していきたいと思います。