10年に1度の寒波から1週間ほど過ぎ、2月6日は快晴で、積もった雪がキラキラと輝いています。
少し遅くなりましたが、1月30日(月)に開催した第4回オープンカレッジについて報告します。
講師は北海道本別町にある前田農産食品(株)の代表取締役 前田茂雄氏に「温故知新でワクワク感動農業を実践するー前田農産食品の取り組みー」として講演をしていただきました。
オープンカレッジの前々日である1月28日(土)は県内は大雪で交通機関はすべて止まり、農業大学校の周辺も多くの雪が積もり、ビニールハウスもご覧のとおりの状況でした。講師に来ていただけるか大変心配をしておりました。
幸いにも、講師は日曜日に北海道から鳥取に移動する予定でしたので、無事に本校へ到着されて講演をしていただけました。この時期の北海道十勝地方は最低温度がマイナス30℃、雪も多くありますので、今回の大雪についても「鳥取も結構雪が降るんですね」とあまり驚きはない様子でした。
講師の前田さんは北海道に入植して4代目となるようです。ちなみに初代の曾祖父は岡山県新庄村から北海道に入植されたようですので、今回は自分のルーツである新庄村も訪問されたようです。
講演の内容は非常にパワフルで、人は自分のことを「宇宙人」だとか「KY」だとかいう人もいるが、「KY」は「空気を読めない」のではなく、空気が読めてしまうと、やりたいことが出来なくなったり、躊躇したりすることもあるので、「あえて空気を読まない」のも良いのではと言っておられました。
前田農産食品(株)では、北海道で唯一の5種類の小麦を栽培してパン製造会社等に販売、また、ポップコーン栽培にも乗り出し、現在では国産初の電子レンジ専用「北海道十勝ポップコーン」を商品化され、講演中に自ら電子レンジで商品を温めてポップコーンを作って披露されましたので、ポップコーンがはじける音を聞いて学生からは拍手がわきました。
栽培面の工夫として、積極的に新しい技術を取り入れ、収量と品質安定化を目的にレーザー式生育センサーを導入して、葉色を数値化して窒素肥料散布を適時適量の自動調整散布で行い、また、初心者でも取り組めるようにGPS自動操縦のトラクターは数台所有しているとのことでした。プロジェクト課題でスマート農業に取り組んでいる学生もいましたので、講義終了後、前田さんからいろいろと聞いていました。安全の仕組化として栽培面ではグローバルGAPを食品製造では北海道HACCPを導入されています。
前田さんは地域活動も熱心にされており、また、海外で農業を学ぶ橋渡し役もされています。今回は遠いところ鳥取まで来て講義をしていただき、大変ありがとうございました。