防災・危機管理情報


鳥取まいぶん講座

第3回鳥取まいぶん講座「民俗事例からみる考古資料~暮らしのなかの祈り~」参加者の質問への回答 New!

 令和6年11月16日(土)に開催した、第3回鳥取まいぶん講座「民俗事例からみる考古資料~暮らしのなかの祈り~」に対していただいた質問について、講師の鳥取県埋蔵文化財センター係長 原島知子が回答します。

【質問1 流し雛について】
 1年飾った紙雛を流すとのことでした。紙雛は飾り雛とは別に、1年毎に各家々で作られるものでしょうか。
 スライドには押絵雛が飾られた写真がありましたが、昔は押絵雛も流される事があったでしょうか。

【質問1への回答】
 近年の流し雛は、「ときわ流しびなの会」が製作されたものが用いられています。手製の紙雛が戦後一時的に各家々で作られていたこともあったようですが、少なくとも明治以降は、行商人や商店から購入することが主流であったようです(参考:鳥取県2019『新鳥取県史 民俗2民具編』p373)。
 講座において、紙雛ではなく、古い雛を流す事例をご紹介しましたが、雛の種類については、「流雛のような小さなものでなく堂々たる大きな内裏雛」(1927年3月23日『鳥取新報』)、「鼻や耳をネズミにかじられた古いひな人形」(四宮守正1981『ふるさとの素顔:因伯民俗めぐり』p43)とあることから、内裏雛などの雛人形が流されていたようです。過去に押絵雛が流されていたかどうかはよく分かりません。


【質問2 関札について】
 正月、5月と儀礼ごとに札が増えていくようですが、古い関札はどこかのタイミングで焚き上げるなどするのでしょうか。
 道切りや境界祭祀というと道祖神やサエノカミも想像するのですが、鳥取県では、関札の行事と道祖神やとんどさん行事との関連がみられる行事やそれらを行っている地域があるでしょうか。

【質問2への回答】
 古い関札は、雨風にさらされて、自然に朽ちていきますので、特に焚き上げなどはされていないようです。新しい関札の近くに古いものがそのまま残されている場合もあります。
 関札に着目した調査はまだ不十分ですが、私の知っている限りでは、道祖神やトンドの行事の際に関札を立てる事例は見当たらないように思います。なお、西伯郡南部町落合地区において、トンドの際に厄除けと称して、村の入口・出口に門松を立てて注連を張り、松の木で作った陽物をつるしていたなど、関札と同様に、年頭にあたって集落に悪いものが入らないような儀礼を行っていた地域があります(鳥取県教育委員会『「弓浜半島のトンド」調査報告書』p209)。

「令和6年度 第3回鳥取まいぶん講座」を開催しました!

 今年度3回目の鳥取まいぶん講座は、当センター係長 原島知子が講師を務め、「民俗事例からみる考古資料~暮らしのなかの祈り~」と題し、11名の皆様に御聴講いただきました。

 

 講座では、「鳥取西道路」の建設に伴う発掘調査で出土した古代の木製祭祀具と鳥取市用瀬地区の流し雛や現代のお日待ち行事で使われる関札などを例として、遺跡から出土した様々な祈りの儀礼に用いた道具と現在の私たちの祈りの場面やそこで使用している道具とを見比べることで、儀礼に込められた願いを読み解きました。会場で御聴講いただいた方からは、「現在と古代の事例が絡め合わせてあり、興味を持つきっかけになった」などの御感想をいただきました。

 

第3回鳥取まいぶん講座1

令和6年度第3回鳥取まいぶん講座のようす

 

 また、講座終了後には、関連イベントとして1階ロビーで開催中の企画展示「民俗事例からみる考古資料~暮らしのなかの祈り~」を参加者に見学していただきました。

 

第3回鳥取まいぶん講座2

企画展示「民俗事例からみる考古資料~暮らしのなかの祈り~」の解説風景



【終了しました】「令和6年度 第3回鳥取まいぶん講座」を開催します!

 第3回鳥取まいぶん講座を下記のとおり開催します。

 参加を希望される方は、11月11日(月)午後5時までにお申し込みください。

 今回は、「民俗事例からみる考古資料~暮らしのなかの祈り~」として、現在の私たちの祈りの場面やそこで使用している道具と遺跡から出土した様々な祈りの儀礼に用いた道具を見比べ、儀礼に込められた願いを考えてみます。

1 開催日時:令和6年11月16日(土)午後1時30分から午後3時まで

2 会場:鳥取県埋蔵文化財センター2階 研修室

※オンラインでも御視聴いただけます。

3 講師:原島知子(鳥取県埋蔵文化財センター係長)

4 参加料:無料

5 定員:会場25名、オンラインは定員なし。

6 申込:事前にお申込が必要です。

(1)申込期限:令和6年11月11日(月)午後5時

(2)申込方法:とっとり電子申請サービスでお申込ください。

※会場参加申込の方で、とっとり電子申請サービスを御利用になれない方は、電話(0857-27-6711)でのお申込もできます。

この↓チラシ画像をクリックしていただくと、PDFファイルが開きます。

第3回鳥取まいぶん講座チラシ

 


第2回鳥取まいぶん講座「鳥取県の青銅器-銅鐸・銅鏡の文様を中心に-」参加者の質問への回答

 令和6年8月24日(土)に第2回鳥取まいぶん講座「鳥取県の青銅器」の講演後にいただいた質問について、講師の鳥取県埋蔵文化財センター係長 西川徹が回答します。

【質問1】

なぜ岩美で(銅鐸が)出土したのか。どのような権力者が考えられるのか?

【質問1への回答】

 一般論として、銅鐸は豊穣を祈るマツリなどで使用されたと考えられています。そのため、新井上屋敷銅鐸は、弥生時代中期に銅鐸を用いるマツリを受け入れ、同笵銅鐸が出土している瀬戸内地域などと交流を持って銅鐸を入手することが出来た岩美の有力な集団(ムラ)によって持ち込まれてマツリに使用されたと考えられますが、マツリが行われなくなったことを契機に地中に埋められたのでしょう。

 このような集団における指導者(権力者)は、対外的には集団間の交渉にあたり、集団内では食糧確保のために水田の維持管理などを指揮したりという政治的な役割を果たす一方、作物の豊穣を願い、また収穫に感謝するマツリに関与する祭祀的な役割ももっていた人物ではないかと考えられます。

【質問2】

 岩美町で出土した銅鐸と後の岩美町の遺跡との関連は?

【質問2への回答】

 新井上屋敷銅鐸を入手した集団は、弥生時代中期(約2,000年前)に地域の有力な集団であったと考えられますが、どのような集団なのかといった基本的なことが分かっていません。

 なお、銅鐸出土地から南東約2kmのところに、約26×18mの長方形で高さ3mの規模を持つ弥生時代後期初頭(約1,900年前)の土を盛り上げた墓(新井三嶋谷<にいみしまだに>1号墳丘墓)が造られています。銅鐸を入手した集団と墳丘墓を造った集団に関係があるのかどうかは分かりませんが、弥生時代後期には地域内で突出した力を持つ有力者が成長していたことが分かります。

 後の時代には周辺に新井古墳群や高野坂古墳群などの古墳や白鳳期に地域の有力者が建立したと考えられる岩井廃寺などがみられますが、やはり銅鐸を入手した集団とどのような関係があるのかは分かりません。

【質問3】

   青銅の道はあったのか?

【質問3への回答】

 継続して青銅器が持ち込まれてはいないようなので、“青銅の道”と呼べるようなものはなかったと考えられます。


令和6年度第2回鳥取まいぶん講座を開催しました!

今年度2回目の鳥取まいぶん講座は当センター係長 西川徹が講師を務め、「鳥取県の青銅器-銅鐸・銅鏡の文様を中心に-」と題し、鳥取県で出土した青銅器について解説しました。会場(当センター)とオンラインで同時開催をし、会場13名、オンライン23名の皆様に御聴講いただきました。

 

 講座の前半は岩美町出土新井上屋敷(にいかみやしき)銅鐸の補修痕跡(銅鐸を造った時に生じた欠損部(穴)に溶かした青銅を注いで穴をふさぐ鋳掛けや、文様がなかったり、不十分な部分にタガネ等で文様を刻む補刻)や湯梨浜町出土泊銅鐸の絵画(人物・シカ・トンボ等)の特徴から、同じ鋳型で造った銅鐸の鋳型の傷の進み具合を観察することで、銅鐸の造られた順番を推測できることを解説しました。講座の後半では、鳥取県から出土した鏡の文様の特徴について解説しました。

会場で御聴講いただいた方からは、「鋳型の修復痕跡や本体の補刻など知らないことがあった。」などの御感想をいただきました。

 

 

令和6年度第2回まいぶん講座1

令和6年度第2回鳥取まいぶん講座 解説風景

 

令和6年度鳥取まいぶん講座2

鳥取県から出土した鏡の解説風景

 

 

また講座終了後には、関連イベントとして1階ロビーで開催中の企画展示「発掘調査で出土した青銅器」を参加者に見学していただきました。

 

令和6年度第2回鳥取まいぶん講座展示解説

企画展示「発掘調査で出土した青銅器」解説風景

 

 

鳥取まいぶん講座(第3回・第4回)のお申込みはこちらまで

 


【終了しました】「令和6年度 第2回鳥取まいぶん講座」を開催します!

今年度2回目の鳥取まいぶん講座は、「鳥取県の青銅器」と題し、当センター係長 西川 徹が鳥取県から出土した銅鐸や銅鏡の文様について詳しく解説します。どうぞお楽しみに。

 また、現在、当センター1階ロビーでは、企画展示「発掘調査で出土した青銅器」を開催しています。まいぶん講座の際にぜひご覧ください。

 

まいぶん講座のお申込みはこちらからお願いします。

 

チラシ

 

【こちらもお勧め】

第2回鳥取まいぶん講座の翌日には、鳥取県立公文書館主催により、青銅器についての講座が開催されます。当センターの講座と合わせて、こちらもぜひ御参加ください。

令和6年度新鳥取県史を学ぶ講座「鳥取県の銅鐸・武器形青銅器の研究」

日時 令和6年8月25日(日)午後1時~午後3時30分

会場:とりぎん文化会館 第1会議室

「鳥取県の銅鐸についての新たな調査成果」講師 難波 洋三 氏

「久蔵峰銅矛と某神社旧神宝銅剣」講師 吉田 広 氏


第1回鳥取まいぶん講座「速報・長瀬高浜遺跡の調査成果」参加者の質問への回答

令和6年5月18日(土)に第1回鳥取まいぶん講座「速報・長瀬高浜遺跡の調査成果」を開催し、御好評をいただきました。講演後にいただいた質問について、講師である公益財団法人鳥取県教育文化財団調査室 文化財主事 田中正利氏が回答します。

 

【質問】

長瀬高浜遺跡のYouTube公益財団法人鳥取県教育文化財団調査室でも見たのですが、平安時代の掘立柱建物跡が「大社造」との事。この建物は神社(祠)のようなものだったのでしょうか?また、「大社造」という事は出雲地方との関連・交流などはどうだったのでしょうか?

 

【回答】

御質問いただきありがとうございました。

令和5年度の調査で見つかった3区の掘立柱建物2は9本の柱で造られた建物で、「大社造」と同じ柱の並び方をしています。ただ、このような柱の並び方をした建物のすべてが「大社造」だったわけではありません。今回見つかった建物も、柱の並び方以外に建物の形を知る手かがりがなく、「大社造」だったかどうかは不明です。

また、今回の調査では建物の性格を知ることができる出土品が見つかっていませんので、この建物がどのように使われたのかは分かっていません。建物周辺の出土品を調べたり、同じような事例を探したりして、建物の使われ方を調査したいと考えています。

講演でお話しましたが、古墳時代には東郷池が海とつながる入り海であったと考えられ、ここを港として利用することで長瀬高浜遺跡は日本海を介した交易を行っていたと考えています。

日本海を介した交易としては、北九州や北陸地域もそうですが、出雲地域との交流もあっただろうと思われます。

 

長瀬高浜遺跡(令和5年度調査)3区掘立柱建物2

長瀬高浜遺跡(令和5年度調査)3区 掘立柱建物2

(公益財団法人鳥取県教育文化財団調査室 提供) 

 

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「令和6年度 第1回鳥取まいぶん講座」を開催しました!

長瀬高浜遺跡(ながせたかはまいせき)は鳥取県東伯郡湯梨浜町の砂丘地に立地する遺跡で、弥生時代から鎌倉時代にかけての集落跡、古墳、畠跡などがみつかっています。集落内で多量の埴輪群がみつかったことで全国的にも有名で、鳥取県内でも重要な遺跡の1つです。(出土した埴輪は国の重要文化財に指定されています。)

長瀬高浜遺跡では、現在も発掘調査が実施されており、実際に調査を担当されている公益財団法人鳥取県教育文化財団調査室 文化財主事 田中正利氏を講師にお迎えし、第1回鳥取まいぶん講座「速報・長瀬高浜遺跡の発掘調査成果」を会場(当センター)とオンラインで同時開催しました

会場13名、オンライン20名の皆様に御聴講いただきました。

 

会場のようす

会場のようす

 

講座の前半は昭和と平成に行われた発掘調査の成果について解説をしていただきました。後半には、古墳時代前期の集落では井戸の周りを囲むように竪穴建物が建てられていることや、竪穴建物跡でみつかった囲炉裏跡など、令和の発掘調査でわかった最新の調査成果について解説していただきました。

会場で御聴講いただいた方からは、「昭和、平成の調査のほか、最新の調査成果を知ることができてよかった。」など、たくさんの御感想をいただきました。

 

また講座終了後には、参加者に関連イベントとして1階ロビーで開催中の企画展示「長瀬高浜遺跡を振り返る」を見学していただきました。多量に出土した埴輪群の出土状況や神殿の可能性が指摘される大型建物の検出状況などの写真パネル、実際に出土した遺物を展示しており、講座での解説も合わせて、長瀬高浜遺跡の重要さを存分に感じていただく機会となったのではないでしょうか。

 

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「令和6年度鳥取まいぶん講座」を開催します!

 当センターでは調査研究成果を県民の皆さんにお届けする「鳥取まいぶん講座」(全4回)を開催します!

 今年度は、長瀬高浜遺跡や古海古墳群といった鳥取県を代表する遺跡の発掘調査や鳥取県の青銅器の調査研究からわかった成果、民俗事例からみた考古資料の研究成果についてお話しします。講座は会場での聴講のほか、オンラインでの聴講も可能です。聴講を希望される方はいずれも講座の5日前までにお申込みください。

 お申込みは、とっとり電子申請サービスを御利用ください。

■令和6年4月18日(木)午前8時30分から募集を開始します(全4回)。

■会場参加を希望される方でとっとり電子申請サービスが御利用できない方は、電話でお申込みください。

 なお、日時、内容等は変更になる場合があります。最新情報は、ホームページを御覧ください。

 また、当センターでは鳥取まいぶん講座の内容に関連した企画展を開催します。会場参加の方には講座の聴講に合わせて展示を御覧いたただけます。

どうぞお楽しみに。

:会場

4回とも鳥取県埋蔵文化財センター2階研修室

2:日程・演題

(1)第1回(終了しました)
  1. 日程:5月18日(土)午後1時30分から午後3時まで(午後1時受付開始)
  2. 演題:「速報・長瀬高浜遺跡の調査成果」
  3. 講師:公益財団法人鳥取県教育文化財団調査室 文化財主事 田中正利氏
  4. お申込み先:とっとり電子申請サービス

 

第1回会場参加QRコード 第1回オンライン参加QRコード 

 
(2)第2回(終了しました)
  1. 日程:8月24日(土)午後1時30分から午後3時まで(午後1時受付開始)
  2. 演題:「鳥取県の青銅器」
  3. 講師:鳥取県埋蔵文化財センター 係長 西川徹
  4. お申込み先:とっとり電子申請サービス

 

第2回会場参加QRコード 第2回オンライン参加QRコード

 
(3)第3回(終了しました)
  1. 日程:11月16日(土)午後1時30分から午後3時まで(午後1時受付開始)
  2. 演題:「民俗事例からみる考古資料~暮らしのなかの祈り~
  3. 講師:鳥取県埋蔵文化財センター 係長 原島知子
  4. お申込み先:とっとり電子申請サービス

 

第3回会場参加QRコード  第3回オンライン参加QRコード 


(4)第4回
  1. 日程:令和7年2月15日(土)午後1時30分から午後3時まで(午後1時受付開始)
  2. 演題:「古海古墳群の新知見」
  3. 講師:鳥取県埋蔵文化財センター 文化財主事 森本倫弘
  4. お申込み先:とっとり電子申請サービス

 

第4回会場参加QRコード
第4回オンライン参加QRコード 


3:定員 

  1. 会場:25名(先着順)
  2. オンライン:定員の制限なし

※いずれも要申し込み(全4回)。

4 参加費

  • 無料(オンライン視聴にかかる通信料は自己負担です。)

5 関連企画展

講座の内容に関連した企画展を開催

  1. 会場:鳥取県埋蔵文化財センター1階
  2. 内容・期間
  • 【終了しました】「長瀬高浜遺跡を振り返る」5月10日(金)から7月11日(木)まで
  • 「発掘調査で出土した青銅器」7月19日(金)から10月31日(木)まで
  • 「民俗事例からみる考古資料~暮らしのなかの祈り~」11月8日(金)から令和7年2月6日(木)まで
  • 「古海・本高古墳群」令和7年2月14日(金)から3月19日(水)まで

 

↓↓チラシ画像をクリックしていただくと、PDFデータがダウンロードできます。

 第4回鳥取まいぶん講座 
  

第2回鳥取まいぶん講座を開催しました!

 令和5年6月17日(土)に、兵庫県立考古博物館の名誉学芸員である大平茂氏を講師にお迎えし、第2回鳥取まいぶん講座「律令期の木製祭祀具(人形・馬形)-伯耆国・因幡国出土遺跡の特徴-」を会場のとりぎん文化会館第2会議室(写真1)とオンラインとで同時開催しました。

 はじめに「木製祭祀具の種類と使い方」についての概要と、発掘調査の成果から古墳時代から古代にかけての祭祀の変遷、都城で6月と12月の末日に行われていた大祓(おおはらえ)と律令制祭祀具が各地域に広がる様子について解説されました。

 続いて鳥取県内では、伯耆国の大御堂廃寺跡(おおみどうはいじあと)や大鴨遺跡(おおがもいせき)では、寺院の近くで水に関わる祭祀が行われたこと、因幡国では国庁よりも西側の地域で多数の木製祭祀具が出土するとのご指摘がありました。

 大桷遺跡(だいかくいせき)は古墳時代から続く律令制祭祀と、動物をいけにえにする特色ある遺跡であること、青谷横木遺跡(写真2)は木製祭祀具の出土数は兵庫県の袴狭遺跡(はかざいせき)に続き全国第2位であること、青谷横木遺跡や常松菅田遺跡(つねまつすがたいせき)は人形よりも馬形の比率が高く、他の地域と行き来する馬自体が祓(はらえ)の対象になることから、どちらも馬に関係する遺跡の可能性が高いとのことでした。

 参加者は熱心に聴講されており、アンケートでも「分かりやすかった」、「知らなかったことが具体的に分かってよかった」、現在行われている企画展示についても、「これから見たい」というお答えが多く寄せられました。

 企画展「大桷遺跡(だいかくいせき)の木製祭祀具」は728日(金)まで開催しています。

 展示については、こちらをクリックしてください。

 

 次回、第3回は令和585日(土)に鳥取市国府町コミュニティセンターで、奈良文化財研究所主任研究員の小田裕樹氏に「奈良時代の娯楽と遊戯」と題してご講演いただき、講演終了後には実際の古代の遊戯を復元した「かりうち体験会」を実施します。ぜひご参加ください。

 募集は7月上旬までに始める予定です。

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写真1:会場の様子

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写真2:青谷横木遺跡出土の木製祭祀具集合写真


令和5年度 鳥取まいぶん講座を開催しています。

 当センターでは最新の調査研究成果を県民の皆さんにお届けする「鳥取まいぶん講座」を開催しています。

 講座は年6回を予定しており、ただいま第3回目以降の参加者を募集しています。

チラシ画像をクリックしていただくとPDFデータがダウンロードできます↓

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第1回 鳥取まいぶん講座を開催しました!

 令和5年4月15日(土)午後1時30分から当埋蔵文化財センターの家塚英詞文化財主事を講師に、第1回鳥取まいぶん講座「曲物(まげもの)の世界」を開催しました。会場での聴講とともにオンライン同時配信により開催しました。

 曲物とは薄い木の板や樹皮を曲げて筒状にし、合わせ目を樹皮でとじ、底板を取り付けて作ります。今回の講座では、曲物の構造や作り方、使われる木材の種類、現代に至るまでの歴史について、遺跡から出土した資料だけでなく、実際の曲物を例に分かりやすく説明しました。

 参加された方の中には、曲物が日本の食文化に与えた影響について興味を持たれた方もありました。

 講演終了後は、当センター展示室で講師による「企画展・曲物の世界」の展示解説を行いました。この展示は526日(金)まで開催しています。

「企画展・曲物の世界」については、こちらをクリックしてください。

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講座の様子

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展示解説の様子

第5回鳥取まいぶん講座を開催しました。

 令和5年3月18日(土)に「因幡の中世城館を探る」と題して今年度最後の鳥取まいぶん講座を行いました。

 当日は、会場17名、オンライン7名の方にご参加いただきました。

 県内では山間部を中心に林産資源活用のためにレーザ測量で取得した地形データが蓄積されつつあります。このデータからは色の違い濃淡で傾斜が判別できる微地形図が作成でき、新たな城跡の発見や、これまでわかっていた城跡についても範囲や構造の違いが見えてくるようになりました。

 講座では、戦国時代に在地領主の拠であった伝承が残る山城の立地や構造について、立体的に見える地形図によって見えてきた特徴を解説しました。これらの山城は、因幡国内の交通の要衝に近い山に築かれており、山頂部を削平して大きな曲輪(くるわ)を造り出しています。城跡に残る防御施設として共通するのは、曲輪群の両端に堀切を設けることです。また、後の山城に見られるような曲輪の出入口(虎口:こぐち)を造りこむような造作や横堀といった施設はほとんど設けられないという傾向が見えてきました。

 講座の参加者からは、「地形図の見方がわかって、城跡の様子がわかった」、「山城に登りたくなった」といった感想をいただきました。

 令和5年度も、埋蔵文化財センターで行っている調査研究事業について鳥取まいぶん講座の中で皆様にご紹介していきます。3月20日(月)から参加募集を行っていますので、奮ってご応募ください。

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講座の様子


【募集を終了しました】令和5年度鳥取まいぶん講座の参加者を募集します。

 一部講座を除いて令和5年3月20日(月)から募集を開始します。各回とも募集は開催日の3日前までです。

  第2・3回を除き、各回とも会場は鳥取県埋蔵文化財センター(鳥取市国府町宮下1260)、開催時間は13時30分から15時まで(受付開始13時)、定員は会場参加25名、オンライン参加40名です。

 御参加を希望される方は各回リンク先の「とっとり電子申請サービス」でお申し込みください。

 講座のタイトルは仮題で変更になることがあります。

 日程等が変更となった場合には、ホームページでお知らせするとともに、お申し込みされた方にメール又は電話で連絡します。

 「とっとり電子申請サービス」が御利用になれない方は電話でのお申し込みも受け付けております。

【終了】第1回 令和5年4月15日(土)「曲物の世界」講師 家塚英詞(当センター職員)

  • 会場申込みリンク先
  • オンライン申込みリンク先

 

【終了】第2回 令和5年6月17日(土)「律令期の木製祭祀具(人形・馬形)-伯耆国・因幡国出土遺跡の特徴」 講師 兵庫県立考古博物館 名誉学芸員 大平 茂氏

  • 会場申込みリンク先
  • オンライン申込みリンク先

 

【終了】【7月3日(月)募集開始】第3回 令和5年8月5日(土)開催 講演会と体験会は別のお申込みとなります。体験会だけのご参加も可能です。 1 講演会「奈良時代の娯楽と遊戯」奈良文化財研究所 主任研究員 小田 裕樹氏
  • 会場参加申込みリンク先(200名)
  • オンライン参加申込みリンク先(40名)
2 古代のボードゲーム「かりうち」体験会
  • 体験会申込みリンク先(10グループ、1グループ2名以上4名以下)

 

 

【終了】第4回 令和5年10月21日(土)開催「古代山陰道の調査成果」 講師 森本倫弘(当センター職員)
  • 会場申込みリンク先
  • オンライン申込みリンク先

 

 

【終了】第5回 令和5年12月16日(土)開催「東伯耆の中世城館」講師 鳥取県立むきばんだ史跡公園 文化財主事 大川泰広氏
  • 会場申込みリンク先
  • オンライン申込みリンク先

 

 

【終了】第6回 令和6年2月17日(土)開催「前方後方墳を考える」講師 とっとり弥生の王国推進課 係長 東方仁史氏
  • 会場申込みリンク
  • オンライン申込みリンク

第4回 鳥取まいぶん講座「鳥取平野の前方後円墳」を開催しました。

 令和5年1月21日(土)午後1時30分から当センター東方仁史係長を講師に第4回鳥取まいぶん講座「鳥取平野の前方後円墳」を開催しました。会場・オンライン合わせ、34名の方に御参加いただきました。

 鳥取平野の周辺ではこれまでに約50基の前方後円墳の存在が知られていましたが、前方後円墳としての規模や大きさなど、過去に行われた現地踏査から得られた情報しかありませんでした。

 近年、鳥取県では、新鳥取県史編さん事業による古墳の地形測量や、林産資源の活用事業に伴って行われた測量として、「航空レーザ測量」という新しい測量方法が行われ、細かな地形データが得られています。この地形データを用いることによって、前方後円墳をはじめとする古墳や山城といった、地形を大きく変えて築かれた遺跡の情報をより詳しく知ることができます。

 今回の講座では、こうした測量データをもとに鳥取平野に築かれた前方後円墳について、大きさや形の傾向に関して得られた新たな知見や、未発見の前方後円墳が存在する可能性を紹介し、新たな研究の方向性を提示しました。

 参加された方から、「新しいことがわかるのはとても楽しみだ」といった感想をいただきました。

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会場の様子

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測量データからみた前方後円墳


埋文センター40年の歴史(2)令和4年7月16日(土)は、まだある埋文新発見

 青谷上寺地遺跡ではDNA分析から弥生人の復顔が行われ、弥生時代の新しい事実を発信していることは皆さんの記憶に新しいことと思います。

 鳥取県では平成10年以降、青谷上寺地遺跡以外にも、多くの遺跡の発掘調査が行われ、縄文時代から近世にいたる各時代にまつわる歴史的発見が確認されていることはご存じでしょうか。

 湖山池の南東に広がる平野に営まれた大桷遺跡(だいかくいせき)では縄文時代晩期から弥生時代前期にかけて、少しずつ生活域が平野部に広がってきたことが明らかとなっています。この遺跡では、古代(8~10世紀頃)にまじないに使われた馬や刀を模造した形代(かたしろ)をはじめ、絵馬や災いや邪気をはらう呪文などが書かれた呪符木簡(じゅふもっかん)など、当時の人々の祈りの形を伝える遺物が多数出土しています。

 鳥取西道路の鳥取ICから西へ走ってすぐに見えるトンネルの上には本高古墳群(もとだかこふんぐん))があります。なかでも本高14号墳はこの地域の首長のお墓で、近畿地方とのつながりを持ったことを示す前方後円墳です。しかも山陰地方でも最古級に位置付けられることが発掘調査の中で明らかとなり、その重要性から現地に調査当時の姿のまま保存されることとなりました。

 また、大山山麓でみつかった豊成叶林遺跡(とよしげかのうばやしいせき)や下甲退休原第1遺跡(しもぎたいきゅうばらだいいちいせき)の発掘調査では、はるか3万年前の旧石器時代の狩人が残したナイフの形をした石器や、それを作る際に生じた破片が見つかり、重要な発見として豊成叶林遺跡から出土した石器類は鳥取県の保護文化財に指定されました。

 第2回鳥取まいぶん講座では、埋文センター40年の歴史(2)「歴史を塗り替えた発見」として、鳥取県の歴史を考える上で注目される遺跡、遺物をご紹介したいと思います。

 皆様ふるってご参加ください。 

第2回 鳥取まいぶん講座

日時:令和4年7月16日(土)午後1時30分から

場所:さざんか会館大会議室(鳥取市総合福祉センター)

   鳥取県鳥取市富安2丁目104-2

※会場参加とオンライン(Cisco Webex Eventsを利用)でのご参加ができます。

ここをクリックしてください (pdf:712KB)


第1回鳥取まいぶん講座を開催しました!

 令和4年5月21日(土)、鳥取市総合福祉センター「さざんか会館」の大会議室で、「第1回 鳥取まいぶん講座」を開催しました。新型コロナウイルス対策で広い会場での開催とし、会場での聴講とともにオンライン(Cisco Webex Events)同時配信による開催でした。
 講座では、当センター山枡雅美係長が「埋文センター40年の歴史(1)」というテーマで、昭和25年の文化財保護法制定から始まり、経済成長とともに増加する開発事業との調整の中で埋蔵文化財の保護に奔走した鳥取県教育委員会の取り組みと、埋文センターの設立の経緯や意義などをわかりやすく解説しました。当時の発掘調査を当事者目線で振り返るなど、中身の濃い講座でした。
 次回は7月16日(土)、「埋文センター40年の歴史(2)」というテーマで予定しております。埋文センター40年の歴史(2)では、2000年代以降に行われた大規模な発掘調査に焦点をあて、妻木晩田遺跡、青谷上寺地遺跡以外にも歴史を塗り替える発見によって注目された遺跡をご紹介します。
 会場は同じさざんか会館大会議室で、オンライン聴講も可能です。ぜひとも御参加ください。

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講座の様子(1)

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講座の様子(2)


第1回鳥取まいぶん講座「埋文センター40年の歴史(1)」を開催します

 今年、鳥取県埋蔵文化財センターは設立40周年を迎えます。
 令和4年5月21日(土)は鳥取まいぶん講座「埋文センター40年の歴史(1)」としてセンターの歴史を掘り起こし、埋蔵文化財センターがたどってきた40年のうち、前半の約20年の歩みをふりかえってお話いたします。
 昭和25年の文化財保護法制定以後、日本が経済成長をとげる中、開発と埋蔵文化財の保存との調整が大きな問題となっていきます。鳥取県内でも同様の問題が生じ、埋蔵文化財の保存、調査、活用などを推進するために埋蔵文化財センターが設置されました。その後、さらに開発事業が多くなるにつれ、埋蔵文化財センターの役割が大きくなっていく歩みをお話いたします。
 なお、今年度は「さざんか会館」(鳥取市総合福祉センター:鳥取市富安2丁目104-2)5階、大会議室を講座会場(定員40名)としております。
 また、オンライン(Cisco Webex Events利用)参加(定員40名)も募集しています。皆様ぜひご参加ください。
 節目の年に当たり、センターの歴史を振り返る企画展「埋文センター40年の歴史(1)埋蔵文化財センター40年の歩み」(4月8日~5月27日)を埋蔵文化財センター展示室で開催しています。21日は午後1時から午後5時まで開館いたしますので、ぜひ御覧ください。

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長瀬高浜遺跡、埴輪群出土状況写真


令和4年度 鳥取まいぶん講座を開催します。

 今年度も当センターでは最新の調査研究成果を県民の皆さんにお届けする「鳥取まいぶん講座」を開催します!今年度は、計5回の講座を予定しています。
 前半2回は、今年開所40周年を迎える埋蔵文化財センターの歴史と調査研究のあゆみ等についての講座を行います。また、後半3回は、今年度実施する調査研究事業に関連し、因幡(鳥取県東部)の古墳、古代山陰道、中世城館についての講座です。いずれも企画展示と関連する内容となっていますので、講座終了後には埋蔵文化財センターにて展示をご覧いたただけます。どうぞお楽しみに。
 なお、講座は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、完全事前申込み制とするとともに、会場を「さざんか会館」としております。また、会場での聴講のほか、オンラインでの聴講も可能です。聴講を希望される方はいずれも講座の3日前までにお申込みください。
 新型コロナウイルス感染症の状況によっては、中止または予定を変更することがあります(例:オンライン開催のみ)。その場合はホームページ等でお知らせします。

○第1回 「埋蔵文化財センター40年の歴史(1)」

日時:5月21日(土)午後1時30分から午後3時まで

場所:さざんか会館 大会議室(鳥取市富安2丁目104-2)
定員:会場40名 オンライン40名(先着順)

○関連展示 企画展『埋蔵文化財センター40年の歴史(1)』

日時:4月8日(金)から5月27日(金)
場所:鳥取県埋蔵文化財センター

こちらをクリックしてください→令和4年度鳥取まいぶん講座 (pdf:279KB)

  

第6回鳥取まいぶん講座を開催しました!

 令和4年3月19日(土)に、第6回鳥取まいぶん講座「因幡の古墳」を開催しました。すでに定員一杯の申込みがありましたが、新型コロナウイルス感染症第6波の収束が見えないことや、会場がやや狭いことなどを考慮し、急遽会場をとりぎん文化会館第4会議室に変更しました。また、合わせて前回同様インターネットでの同時配信を行うこととし、会場での聴講とオンライン聴講を合わせ、18名の方に御参加いただきました。
 今回は、当センター東方係長が「因幡の古墳 方墳から前方後円墳へ」として、今年度から開始した「鳥取県内古墳調査研究事業」のテーマ1「鳥取県内における前方後円墳築造開始期の研究」に関連し、山陰最古級の前方後円墳である本高(もとだか)14号墳の築造に至る背景について、大型方墳に始まる千代川左岸の古墳築造状況や、本高弓ノ木(もとだかゆみのき)遺跡の木製構造物との関連などについて、プレゼンテーションソフトを用いて解説しました。
 会場に参加された皆様は熱心に聴講しており、「ポイントが絞られてまとまっており、分かりやすかった」等との御感想もいただきました。
 なお、今回のまいぶん講座は、現在開催中の企画展「因幡の古墳」(会期:3月31日まで)と関連しており、終了後には企画展観覧のため、特別開館に来館される方もありました。
 さて、今年度のまいぶん講座も、新型コロナウイルス感染症感染拡大に伴い色々と変更等がありましたが、無事6回の講座を行うことができました。参加された皆様に厚くお礼申し上げます。まいぶん講座は来年度も引き続き実施予定で、奇数月の第3土曜日に開催することにしておりますので、どうぞ御参加ください。ちなみに、令和4年は埋蔵文化財センター開館40年という節目で、それにちなんだ内容の講座も予定していますので、お楽しみに。詳細はホームページや年間スケジュールなどを御覧ください。

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講座の様子


第5回鳥取まいぶん講座を開催しました!

 令和4年1月15日(土)に、第5回鳥取まいぶん講座「因幡の中世城館」を開催しました。定員一杯の申込みがありましたが、年明け以降新型コロナウイルス感染症の変異株が急増し始めた状況を踏まえ、急遽インターネットでの同時配信を行い、来所しての聴講とオンライン聴講を合わせ、20名の方に御参加いただきました。
 今回は、当センター大川文化財主事が「因幡の中世城館」として、昨年度から当センターが発掘調査を行っている「狗尸那(くしな)城跡」(鳥取市鹿野町)と、因幡守護山名氏が本拠とした「天神山城跡」(鳥取市)を取り上げました。天神山城跡では、現在の鳥取緑風高校校舎が建てられる際に発掘調査が行われ、大量の土師器皿(はじきざら;素焼きの皿)が出土しています。この天神山城跡出土の土師器皿は回転台を使わない、いわゆる『京都系土師器皿』と呼ばれるものがほとんどです。一方、狗尸那城跡の発掘調査では、地元の、回転台を使った土師器皿のみが出土しています。これに加え、山名氏が1563年に天神山城から鹿野に退去したことや、現鹿野城も改修されている可能性があることなどをもとに、狗尸那城の築造や改修の背景に迫りました。
 参加者は熱心に聴講されており、アンケートでも「わかりやすかった」などという感想をいただきました。今回のまいぶん講座は、現在開催中の企画展「因幡の中世城館」(会期:2月18日まで)と関連しており、終了後は多くの方が企画展を観覧されていました。
 次回は令和4年3月19日(土)、「因幡の古墳」です。どうぞお楽しみに。

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講座の様子


第4回鳥取まいぶん講座を開催しました!

 令和3年11月20日(土)に、第4回鳥取まいぶん講座「因幡の国府とその周辺」を開催しました。コロナ禍により人数制限をしている中、今年度のまいぶん講座では最も多い、22名の方に御参加いただきました。
 今回の講師は、因幡国古代山陰道発掘調査委員会の久保穰二朗委員長でした。講師の御専門は縄文土器から中世陶磁器まで幅広いのですが、近年は因幡(鳥取県東部)の古代寺院の瓦の研究を精力的に進められており、その成果を当センターの調査研究紀要に発表されています(調査研究紀要6~12掲載)。
 講座では、因幡国府の状況とその周辺の古代寺院について、資料とプレゼンテーションソフトを用いて解説いただきました。これまであまり紹介されていない因幡国庁の調査時のカラー写真や、講師自身の因幡を中心とした古代寺院の瓦等の研究成果を元に、国庁を中心とした因幡の国府について分かりやすく紹介いただきました。さらに、講師は学生時代に因幡国府の発掘調査に実際に参加されており、今回はそうしたエピソードも拝聴できました。
 参加者は熱心に聴講されており、アンケートでも「当時の調査の写真が見られてよかった」「因幡国府についてよく分かった」などという感想をいただきました。なお、今回のまいぶん講座は、現在開催中の企画展「因幡の国府とその周辺」(会期:12月24日まで)と関連するもので、実際に講座でも取り上げられた資料が展示されていたこともあり、終了後は多くの方が企画展を観覧されていました。
 次回は令和4年1月15日(土)、「因幡の中世城館」です。どうぞお楽しみに。

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講座の様子


第3回鳥取まいぶん講座を開催しました!

 令和3年9月18日(土)に、第3回鳥取まいぶん講座「いにしえの田園風景(秋)」を開催しました。会場で11名の方に御参加いただいたほか、今回は初めてインターネットでの同時配信を行いました。
 講座では、家塚文化財主事が企画展「いにしえの田園風景(秋)」に関連し、弥生時代から近代の稲刈りから脱穀・籾すりまでの工程の歴史的な変遷や、お米やさまざまな食物の調理の様子などについて、関連する出土品から分かることなどをプレゼンテーションソフトで解説しました。
 参加された皆さんは熱心に聴講され、「昔の稲作の方法、調理の方法と道具の使い方がよくわかった。」「収穫や調理の道具について詳しく知れて良かった」「丁寧な解説で分かりやすかった」などの感想をいただきました。
 講座終了後には、現在開催中の企画展「いにしえの田園風景(秋)」の展示解説を行いました。展示解説にも多くの方が参加され、実際の出土品を興味深そうに見学されていました。
 なお、今回は新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえ、まいぶん講座としては初めてインターネットでの同時配信を行いました。今後も状況を見ながら実施を検討していきたいと思っており、その際には改めて御案内します。
 次回は令和3年11月20日(土)、「因幡の国府とその周辺」です。どうぞお楽しみに。

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講座の様子

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展示解説の様子


第2回鳥取まいぶん講座を開催しました!

 令和3年6月19日(土)に、第2回鳥取まいぶん講座「いにしえの器 Part1」を開催しました。今回は16名の方に御参加いただきました。
 今回は、「器」の中でも「花弁高杯」をとりあげ、当センター馬路文化財主事が形態、分布、製作技法などの時期的な変化等について、プレゼンテーションソフトと資料で説明しました。
 「花弁高杯」は、弥生時代後期後葉(2世紀後半頃)を中心とする時期に製作された木製高杯(高い脚のある器)で、脚部の先端部が分割され、杯部の下側に4~6弁の花弁状の文様が表現されるなど、非常に装飾的な器です(写真)。日本海側の石川県から福岡県までの遺跡で見つかっていますが、特に鳥取県東部(特に旧気高郡)の遺跡で多いことが注目されます。
 講座では、形の変遷や製作技法や使用樹種の違いが意味するもの、文様の割り付け方や廃棄時の共通性など、様々な面から検討を加えて解説し、「説明が分かりやすかった」「廃棄の共通性は考えた事がなかったので興味深い」などの感想もいただきました。
 さらに、講座終了後には現在開催中の企画展「いにしえの器 Part1」の展示解説も行いました。参加された皆さんは熱心に聴講されており、展示解説にも多くの方が参加されていました。
 次回は令和3年9月18日(土)、「いにしえの田園風景(秋)」です。どうぞお楽しみに。
鳥取まいぶん講座一覧はこちら→R3まいぶん講座 (pdf:191KB)

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花弁高杯(レプリカ)

講座資料はここをクリックして下さい。

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講座の様子

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展示解説の様子


令和3年度第1回まいぶん講座「いにしえの田園風景(春)を開催しました!

 令和3年4月17日(土)に、今年度第1回の鳥取まいぶん講座「いにしえの田園風景(春)」を開催しました。しっかりとコロナ対策を行い、20名の方に御参加いただきました。
 講座では、当センター下江係長が、弥生時代に始まる水田稲作について、ちょうど今頃の春~夏に行う農作業に関して、発掘調査で見つかった遺物や遺構を、プレゼンテーションソフトと資料で説明しました。また、古代の農作業で使っていた木製農具の製作方法、出土した木簡などからわかる当時の農作業の実態などについての解説も行いました。
 さらに、1時間程の講座終了後には、現在開催中の企画展「いにしえの田園風景(春)」の展示解説も行いました。
 意外にも、実際に米作りの経験がある方は少なかったのですが、逆に関心があったためか、参加された皆さんは熱心に聴講されており、展示解説にも半分以上の方が参加されていました。
 次回は令和3年6月19日(土)、「いにしえの器(うつわ)」です。どうぞお楽しみに。

講座の様子

展示解説の様子

  

令和2年度第7回まいぶん講座を行いました。

 令和2年12月19日(土)に、今年度第7回目(最終回)「戦国期における岩美・八頭郡の主な歴史と関連城郭」を開催しました。

 今回も前回と同じ国府町コミュニティセンターで行い、雪が降るあいにくの天候でしたが、60名の方の参加がありました。

 講師は中世史・城郭研究者の高橋正弘氏にお願いし、因幡の「奉公衆」(將軍の護衛・親衛隊)の成立、制度、地域に与えた大きな影響、守護大名・戦国大名との関係などから始まり、これらの勢力と関連する城郭などを紹介していただきました。

 また、奉公衆が拠点とした城館は、彼らが使用しなくなってから城として重要視されるなど、意外な歴史も教えていただきました。実際に各城を足で歩き、調査されている講師ならではの詳しく、興味深いお話でした。

 皆さま熱心に聞いておられ、「奉公衆という言葉自体知らなかったので、とても勉強になった」、「各城の特徴が分かりやすかった」などの声をいただきました。

 今年度のまいぶん講座は今回で終わりです。新型コロナの影響で2回中止となり、定員を減らしたり会場を変更したりしましたが、多くの熱心な参加者の皆様により、充実した内容で開催できました。

 来年度も様々なテーマでまいぶん講座を開催していきますので、お楽しみにしてください。

 なお、今年度は年明け令和3年2月に第2回調査研究成果発表会を予定しています。追って詳細をご案内します。

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令和2年度第6回まいぶん講座を行いました。

 令和2年11月21日(土)に、今年度第6回目「織田・毛利戦争における東伯耆の中世城館」を開催しました。

 今回は、ソーシャルディスタンスを確保するため、会場を埋蔵文化財センターから国府町コミュニティセンターへ変更して行い、52名の方の参加がありました。

 講師は倉吉文化財協会会長 眞田廣幸さんにお願いし、織田・毛利戦争の中心であった東伯耆の動きに焦点を当て、周辺勢力や有力人物の移り変わり、主要な城などを紹介していただきました。

 皆さま熱心に聞いておられ、「東伯耆に多くのお城があることを初めて知った」「東部と中部の歴史の流れがわかった」などの声をいただきました。

 次回は令和2年12月19日(土)、「戦国期における岩美・八頭郡の主な歴史と関連城郭」です。開催場所は今回と同じく国府町コミュニティセンターで、講師に中世史・城館研究者の高橋正弘氏を迎えての開催です。

 多くの方の参加をお待ちしています!!

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令和2年度第4回まいぶん講座を行いました。

  令和2年9月19日(土)に、今年度4回目「縄文のカゴ、弥生のカゴ」を開催しました。

 今回も引き続き新型コロナウィルス感染拡大防止対策を行い、12名の方の参加で実施しました。

 「カゴ」と一口に言っても、縄文時代と弥生時代では材料や作り方が違います。鳥取の縄文時代は主にヒノキ、スギをヒゴ状にしたものを、弥生時代はマタタビなどのツル系のものを素材にします。

 また、作り方も弥生時代には「ヨコぞえもじり編」という今は使われない編み方をしていたなどの特徴を実際に出土したカゴも使って紹介したところ、皆さま熱心に聞き入っておられました。

 次回は、令和2年11月21日(土)、「織田・毛利戦争における東伯耆の中世城館」です。

 開催場所を埋蔵文化財センターからより大きな会場の国府町コミュニティセンターへ変更しますので多くの方の参加をお待ちしています!!

 

※10月のまいぶん講座は中止、11月・12月は会場の変更があります。詳細はこちらをクックしてください。(PDF:261KB)

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令和2年度第2回まいぶん講座を行いました。

 令和2年7月18日(土)に、今年度2回目「あなたの知らない漆の世界」を行いました。

 今回は前回講座より新型コロナウィルス感染拡大防止策として密にならないよう更に徹底して行い、15名の方の参加で実施しました。

 講座では、漆の種類、性質、歴史、加工方法、佐治漆の歴史などを紹介しました。

 聴講後、参加者の中には企画展示にある下坂本清合遺跡などから出土した漆器をじっくりと見ている方もいました。

 次回は、令和2年8月8日(土)、「埋蔵文化財の科学(自由研究向け講演)」です。

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講座の様子


令和2年度第1回まいぶん講座行いました。

    第1回まいぶん講座を行いました!

 当センターでは、調査研究の成果や、地域の歴史を解説する、「鳥取まいぶん講座」を開催しており、令和2年6月20日(土)に、今年度1回目「古代の因幡~山陰道がつなぐ古代社会~」を行いました。

 新型コロナウィルス感染拡大防止のため延期していましたが、ひと月遅れでようやくの開催となりました。三密をできるだけ避けるため、間隔を空けて椅子のみの席としたほか、大型モニターで講座の様子を別室で中継する、換気を行うなどの工夫をとり、合計33名の方に御参加いただきました。

 講座では、当センター坂本文化財主事が、近年の古代山陰道の発掘調査成果を解説するとともに、発掘調査された古代の役所や駅、文字資料などを紹介し、山陰道の整備とそれに伴い進展した地域開発などについて解説しました。講座終了後は、現在開催中の企画展「古代の因幡」の展示解説も行いました。皆さん熱心に聴講されており、「身近な所の歴史はすごいな」といった声もありました。

 次回は、令和2年7月18日(土)、「あなたの知らない漆の世界」です。

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イベント等の申込

令和6年度鳥取まいぶん講座申込(4月18日(木)~募集開始)


刊行物の御購入


センター紹介

 久松山地域は戦国時代以降鳥取城が築かれ、鳥取藩32万石の中心地でした。現在でもこの地域は県庁があり、行政の中心地となっています。

 しかし、戦国時代から遡ること約800年前の奈良時代、県庁から4キロほど離れたこの国府町に国史跡因幡国庁(現在の県庁にあたるもの)がありました。今ではひっそりとした田園地帯ですが、因幡三山(甑山(こしきやま)、今木山(いまきやま)、面影山(おもかげやま))に囲まれ、当時の面影を残す万葉の歴史と古代の出土品にあふれた万葉の里となっています。
 この歴史豊かな万葉の里の一角に埋蔵文化財センターはあります。


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