いよいよ2023年漁期の沖合底びき網漁が9月1日に解禁しました。
今漁期の1回目の市場調査を9月3日の早朝に網代港地方卸売市場にて行いました。
この日は、唯一、1隻がハタハタを90箱、アカガレイを330箱、その他にもソウハチやクロザコエビ(もさえび)等を水揚げしていました。
市場に朝の5時前に着きましたが、既に荷揚げを済ました船は漁場にクイックで戻るため氷を積んでいる最中でした。
解禁直後の漁模様を聞くため、船のブリッジに上がり船長にお話しを聞きました(お疲れのところ快く対応して頂きありがとうございます)。「漁場は赤碕沖、水深200m程度でハタハタは小さいサイズ主体(体長12~13cm程度の5番銘柄)ながらも漁があり、アカガレイも例年並みの漁獲があるよ」とのこと。ひとまず解禁明けの漁が順調に進んでいるような状況を聞けました。
当水産試験場では毎年、第一鳥取丸で沖底の漁期前となる8月に隠岐周辺海域にてハタハタをはじめ、各魚種の分布状況について着底トロール網による調査を行っています。
今年の調査結果(https://www.pref.tottori.lg.jp/secure/1333697/令和5年度ハタハタ漁期前試験操業(トロール)の結果.pdf)ではハタハタについては小サイズ(体長12~13cm程度)主体にそれほど量は多くないものの漁獲がある予想をしていました。
調査結果と実際の解禁直後の漁模様は似たような状況にあり、調査により現在の状況を正確に把握できたのではと思っています。
一方で例年、秋漁の主体となる体長15cm程度のハタハタ(2歳魚に相当)がほとんどいないといった状況(ハタハタが極端な不漁となった昨漁期と同様の傾向)にあり、今後のハタハタの資源動向が非常に気がかりなところです。
(3~4番の中サイズの銘柄がほとんどないのが直近の傾向となっています・・・。)
沖底ではハタハタ以外にもエビ類(もさえび、がらえび、しまえび)やエッチュウバイ(白ばい)など、
沿岸でも活のキジハタやヒラメ、ケンサキイカ(墨抜き処理)、ウッカリカサゴ等の水揚げがありました。
今漁期も引き続き定期的に市場に出向き現場の漁業者、関係者の声を聞き、沖底の各魚種の資源状況等について正確に把握していきたいと思います。