この日は朝の5時前に網代港地方卸売市場に向かいました。
沖底船5隻の入港があり、松葉がに、若松葉がに、アカガレイがメインでハタハタ、クロザコエビ(もさえび)、トゲザコエビ(がらえび)、マダラ等の水揚げがありました。
2月1日から若松葉がに(脱皮して6カ月以内の雄のズワイガニ)の水揚げが解禁されています。甲幅11-13cmの小型の銘柄主体に水揚げされていました。
松葉がに、若松葉がには同じズワイガニの雄ですが、脱皮から1年以上経過している松葉がにと比較し、若松葉がには殻がやや柔らかく、透明感があります。
↑左の写真は若松葉がに、右の写真は松葉がに
若松葉がには松葉がにと比較して身入りは劣りますが、その身は甘く、なんといってもお求めやすい価格なのが嬉しいです。
水揚げの主体となっているアカガレイは年明けから安定した水揚げが続いています。この時期になるとアカガレイは産卵に向け浅場に上がってきます。産卵場へ向かうアカガレイの通り道となる海域では、ほぼ同じ場所で、アカガレイが獲れ続けているようです。
網代での調査が終了し、6時半に賀露地方卸売市場に向かいました。
賀露では沖底船4隻の入港があり、こちらも松葉がに、若松葉がに、アカガレイ、ソウハチ、ヒレグロ、ハタハタの水揚げがありました。
賀露のハタハタは隠岐北西の漁場で漁獲され、体長15cm前後のサイズメインで、量はまだまだ少ないですが、漁獲が上向いてきているような状況です。本格的な春漁に向け、引き続き漁獲が増えていくことを願っています。
賀露ではヒレグロの測定をメインに行いました。
ヒレグロについては2022年から賀露で実際に水揚げされた漁獲物を購入し測定、資源評価に必要な情報となる基礎的な生態(産卵時期、食性、分布場所等)について研究を進めています。
ヒレグロの胃内物は主にゴカイや、エビ、二枚貝等の底生生物を泥と一緒に吸い込むように捕食しており、3月頃が産卵のピークとなっているようなデータが得られています。
この日は調査に協力して頂いた漁業者さんにも結果を共有し、漁業者さんからも「ヒレグロが良く獲れる海域は泥が多い場所、ゴカイ等の餌生物が多い泥場で良く獲れるのかも」といった、調査結果と漁獲実態がマッチした参考になる情報が得られました。