本日、境漁港に8隻のまき網船が入港していたため、市場調査を行いました。
・水揚情報
中型まき網:5隻→マイワシ700トン、さば類100トン
現在は2月末からスタートしたマイワシの水揚げが3~4月にかけて、好調に推移しており、4月末時点で32,586トン(前年比108%、平年比175%)となっています。また、今年は前年と比較し、高水準の水揚げが長期間継続している状況が見られています(4月水揚量:16,889トン、前年比268%)
※4月の水揚量は速報値
漁場は、3~4月かけて大中型、中型まき網を含め浜田沖~隠岐周辺海域となっており、本日聞き取りを行った船の漁場は隠岐海峡となっていました。操業状況を運搬船の船長にお聞きしたところ、4月はマイワシ狙いで操業しているものの直近は月回りがよくないこともあり集魚灯で魚群を集める際に群れがかたまりきらないとのこと。また、徐々にマイワシに混ざりマアジやさば類も入網するようになってきているようです。
以下に今年の調査で購入したマイワシサンプルの測定結果をまとめました。
図 2024年のマイワシ月別被鱗体長組成
2~4月は1~2歳魚相当の個体(16cm~18cm程度)が漁獲主体となっている状況で、昨年と比較するとやや小型の個体もみられました。また、島根半島の定置網で漁獲されたサンプルも測定しましたが、こちらの方がやや大型となっていました。
続いて、マイワシの産卵状況を把握するため、成熟状況についても結果を以下にまとめました。マイワシの産卵時期は春季とされており、境漁港に水揚げされる個体のGSI値(産卵期の指標)も例年3月にピークを迎える傾向があります。
図 2024年マイワシ月別GSI値の推移
2024年についても、概ね3月にピークを迎え4月にかけて減少していることから、3~4月に産卵していることが考えられます。
境漁港におけるマイワシの春の盛漁期は終盤となっていますが、梅雨時期になると脂ののった個体も水揚げされますので、今後も動向をモニタリングしていきたいと思います。