久々の沖底市場調査日記の更新になります。
まずは、9月から解禁した沖合底曳網漁の漁獲状況についてです。
賀露、網代ともハタハタは中型サイズ(体長15-18cm)主体にまずまずの水揚げがあったようです。
青谷沖、隠岐東方などが漁場となっており、8月に第一鳥取丸で実施した漁期前調査の結果(https://www.pref.tottori.lg.jp/secure/1366764/r6okisokogyokimaetyousa.pdf
)から予想された今期の沖底解禁後の漁模様と概ね一致した漁獲状況となっていました。
境港ではアカムツ(ノドグロ)がメインに水揚げされており、境港に水揚げする沖底船は
長崎県対馬沖等の西側海域で操業を行い、浜田港に水揚げ、境港まで漁獲物を陸送していることが多かったです。
他魚種(アカガレイ、ソウハチ等)の漁獲が低調な様で、灘もの(キダイ、アナゴ等)を狙った操業も多いように感じました。
ここ最近の沖底の状況を把握するため、10月9日に境港の市場調査に行きました。
この日はマダラが1隻当たり最大で1000箱以上の水揚げがあり、6隻合計で5000箱以上と大量のマダラの水揚げがありました。
マダラのサイズは体長60cm以上の大型の高齢魚(6歳以上)もいれば、体調40cm程度の小型(3歳程度)の個体も水揚げされていました。
漁場は見島沖で、瀬が多く曳網中に網破れ等のトラブルが発生するリスクが高く、これまであまり操業したことがない海域のようです。
この大量に水揚げされたマダラは主に北海道や東北の加工業者に送られて加工原料となり、一部はおせち料理の棒鱈等に加工されると市場の方々から教えて頂きました。
その他にもアマダイ、マダイ等、多種多様な魚種の水揚げがありました。
10月10日は賀露地方卸売市場に市場調査に行きました。
こちらも水揚げの主体はマダラで、昨日、境港で水揚げしていた沖底船と同様な海域で、操業を行っていたようです。
やはりカレイ類やエビ類等の漁獲が低調となっていることで、リスクを負いながらもマダラを狙った操業を行わざるを得ないよう状況のようです。
マダラ以外にもアカムツ(ノドグロ)、ソウハチ、ヒレグロ、クロザコエビ(モサエビ)などの水揚げがありました。