平成24年2月24日(金)、新鳥取県史編さん専門部会(民俗)では、倉吉市大谷にある四王寺の「しほっつぁん」と呼ばれた祭りと、それに合わせて開かれた農具市について調査しました。
「しほっつぁん」は、かつて農始めの時期にあたる旧2月5日に行われました。太平洋戦争後までは四王寺に参拝する人たちが、境内や麓の集落に開かれた市で農具や生活雑貨を買い求めました。昭和30年代になると四王寺に参拝する人が少なくなったため、倉吉中心地から四王寺に向かう出口に当たる倉吉市河原町の小鴨川の土手で「しほっつぁん市」が行われるようになりましたが、昭和40年代に途絶えたようです。
今回は四王寺における僧侶による読経、参加者の様子を観察し、祭りの終了後に関係者から四王寺の祭りと、あまり記録がない「しほっつぁん市」について聞き取り調査を実施しました。今回の調査に御協力いただいた大谷地区の皆様に感謝申し上げます。
(写真1)雪が残る四王寺
(写真2)読経する僧侶の様子
(写真3)僧侶に合わせて読経する参加者
(写真4)かつて四王寺の祭りの日に「しほっつあん市」が立った小鴨橋付近の倉吉市河原町の土手。
奥に見える大イチョウが市の中心で、四王寺の賽銭箱(さいせんばこ)が置かれ四王寺山の遙拝所(拝む場所)となった
県史編さん室