平成24年10月20日(火)、 新鳥取県史編さん専門部会(民俗)は、倉吉博物館、横浜市歴史博物館と共同で鍛冶屋の神様である金屋子神(かなやこかみ)を調査しました。 調査したのは、かつて倉吉市鍛冶町で千歯扱きの鍛冶屋を営んでいた山崎家です。
金屋子神は、中国地方を中心に鍛冶屋で祀られる神様で、女性の神様とするところが多いですが、男性とする場合もあります。この金屋子神は山崎家が千歯鍛冶をしていた当時から、屋敷に祀られているそうです。幕末に倉吉地方で活躍した仏師作と思われますが、彩色も美しく、大切に祀られてきたことがわかります。また山崎家には、千歯扱き行商が営業のためにサンプルとして持ち歩いたという、千歯扱きのミニチュアも所蔵されています。倉吉の千歯扱きは行商によって全国に広がっていったとされますが、その様子を示す資料は乏しく、大変貴重な資料です。
この金屋子神と行商用ミニチュア千歯扱きは、来年1月26日から3月24日まで横浜市歴史博物館で千歯扱きに関する企画展で展示され、一般公開される予定です。関心がある方は、少し遠いですが横浜観光に合わせて御覧いただければと思います。今回御協力いただいた、山崎様に御礼申し上げます。
(写真1)金屋子神について聞き取り調査をする横浜市歴史博物館の刈田学芸員
(写真2)山崎家の金屋子神像。白狐に女神の金屋子神が乗っています
(写真3)手のひらサイズの行商用ミニチュア千歯扱き
県史編さん室