平成25年3月6日(水)、民俗部会は湯梨浜町泊の称名寺を会場として「衣食」に関する民俗調査を実施しました。
今回は、元泊漁業協同組合長・旧泊村議員であった橋本是さんの御協力で、地元の山海の食材を使った料理に詳しい方、かつて行商をされていて食糧の供給者として食の変遷を見てこられた方など5名の女性に集まっていただきお話を伺いました。
また調査の際には、郷土料理の名人である方に、「おからずし」を持参していただきました。泊の「おからずし」は、イワシが主流で、「イワシずし」ともいわれており、イワシの場合は切り身にせずおからをはさむそうです。また、酢飯の代わりに酢おからを使用します。県内には同様に酢おからを使うすしとして鳥取市賀露の「シロハタずし」があります。
泊ではかつて「おから」を「きらず」と呼び、さまざまな良い縁を「きらず」の意味があり、お祝いの料理によく使われたそうです。
今回は良いイワシが入手できなかったため、ハマチの切り身を使用したとのことでしたが、見た目も美しく、酢のすがすがしい香りと、上品な味でお祝いの料理であることを感じることができました。
最後になりましたが、会場を提供してくださった称名寺の土井義雄住職、調査をセッティングしてくださった橋本是さん、貴重なお話をしていただき、料理を持参してくださった皆様に御礼申し上げます。
(写真1)調査会場の様子
(写真2)ハマチを使ったおからずし
県史編さん室