県の石(岩石):砂丘堆積物
主要産地:鳥取砂丘
鳥取市福部町岩戸から白兎(はくと)海岸までの東西16km、南北2.4kmに広がる鳥取砂丘を構成する石英(せきえい)と長石(ちょうせき)を主とした風成砂(ふうせいさ)。定義上は岩石ではありませんが、鳥取を代表する地質であることで選定されました。供給源は主として中国山地の山陰帯の花こう岩類(鳥取花こう岩など)です。
砂丘堆積物は約4.5万年前に降灰した大山倉吉軽石層を中心とした火山灰層を境に古砂丘砂と新砂丘砂に区分され、写真ではそれぞれの地層が積み重なった様子がわかります。
県の石(鉱物):クロム鉄鉱
主要産地:日南町多里
鳥取県日野郡日南町多里(たり)地域にはマントルの構成物質であるかんらん岩が分布しており、明治30年(1897年)頃、ここにクロムを多く含むクロム鉄鉱が集まっている場所(クロム鉱床)が発見され、採掘が始まりました。
中でも、若松鉱山は国内最大規模で、戦前・戦時中の最盛期には国内生産量の約半分を担った歴史価値があります。この実績から、多里地域のクロム鉱山は「近代化産業遺産群(経済産業省2008年)」 に認定されています。
写真:クロム鉄鉱(標本番号TRPM-82005-006)「鳥取県立博物館所蔵」
県の石(化石):中新世魚類化石群
主要産地:鳥取市国府町宮下
中新世魚類化石群は、約1,680万年前の地層で発見された十数種類の化石群で、国内有数の保存のきわめて良好なことで有名です。
また、日本海形成時期の浅海性魚類相の形成を知る上でも貴重であるだけでなく、西太平洋地域の現生浅海性魚類の起源と進化プロセスを知る上で重要です。
写真:イナバケツギョ(標本番号TRPM-664-0185)「鳥取県立博物館所蔵」