■歩く前の準備
適切な服装と靴、そして水分補給のできる用意。
入念な準備運動
■ポールの長さ
自分の身長×0.65程度。身長が160cmなら105cmくら
い。肘を曲げてポールを持ったときに肘が直角になるくらい
の長さ。
■歩き方
- 目線は下を見ないで前方をみる。
- 腕の振りは、肩の力を抜いてポールを持たないときと同様に自然に前後に振る。
- ポールは軽く握り、先端は前に出した足元につき、その後、後方に軽く押し出す。
- 足の運びは歩幅を広めにとり、かかとから着地し、つま先へとスムーズに重心移動する。
※運動強度による様々な歩き方(全日本ノルディックウォーク連盟HP)
ウォーキング 3.5メッツ
歩幅を広めにとって、軽快に歩くと運動効果も上がります。
平地なら10分間歩いて約35キロカロリーの消費です。1万歩を歩くと300キロカロリーになります。
ノルディックウォーキング 4メッツ
ポールの扱いに慣れて、リズミカルに歩けるようになると、長い距離や坂道も楽に歩けるようになり、カロリー消費も増えていきます。平地を10分間歩くと40キロカロリーのエネルギー消費。
ノルディックウォーキング速歩 6メッツ
ポールで推進力を高めて歩くと、腕力と脚力の両方に効果があがります。平地を10分間歩いて約60キロカロリーの消費です。
ジョギング 8メッツ
走るスピードによってエネルギー消費量は大きく変わります。時速10kmで走ると、10分間で約80キロカロリーの消費です。1時間走ると約500キロカロリーにもなります。
※メッツとは運動の強さを表す数字です。安静時を1メットとして、運動の激しさがその何倍に相当するかを示しています。
※歩く動作は、卵が転がる状態にたとえられます。必ず片足が地面についているので、着地衝撃が緩やかになります。走る場合は、身体が空中に浮いているときがあるので、着地衝撃は大きくなります。一般にノルディックウォーキングでは、ポールの接地によって足への着地衝撃は緩和されますが、歩幅が広くなりすぎると、着地衝撃は大きくなるので、注意しましょう。歩くか、早く歩くか、走ってもよいかは、あなたの脚筋力の強さが支障になります。
効果
- 運動強度が高くなるので、カロリー消費量が増えます。
- 全身持久性(スタミナ)の向上が期待できます。
- 脚部や体幹部の筋力強化になります。
- 腹部や腰部の引締め効果になります。
- 腕の筋力強化やたるみの改善になります。
上達へのポイント
- わずかに状態を前傾ぎみにする。
- 腰からの大きな動きで歩幅を広げる。
- 後ろ足の拇指球で強く蹴って重心を前に。
- ポールの後方への押しを強くする。(先端の交換ゴムを変えてみる。)
- リズミカルな足の運びで、ピッチを少し速く。
- 視線はより前方の遠くを見るようにする。
注意点
- 無理に速く歩くと、かえって心臓循環器系や脚関節への負担が大きくなりすぎたりします。
- 特にポールを使うと歩幅が広くなり、一歩ごとの衝撃は大きくなりやすいので注意が必要です。
- 全行程を速歩にするのではなく、調子が出てきたあたりで、数分間を速歩にしてみるのが良いでしょう。
- 適切な速度には個人差が大きいので、他者と比べるのではなく、自分のペースで歩きましょう。
よりダイナミックなウォーキングを可能にするための筋力強化法
※注意:
筋力は個人差が大きいので、同じ回数を行っても負荷の程度は大きく異なります。自分に合った回数で行いましょう。目安となる回数は10~20回程度。トレーニングしている筋肉が疲労してややだるくなってきたら終了です。
登り坂
1 坂道でも、身体をまっすぐ(鉛直)に立て
目線は前方遠くを見ましょう。
2 歩幅は狭くして、前に出した足は、かか
とから着地し、それに合わせて重心が
スムーズに前に移動するようにします。
3 後ろ足の膝は少し曲げ、地面を蹴り、
体重を前足にかけます。そのときは身
体がやや前傾になります。そして前足
をまっすぐに伸ばし身体を上の方向に
持ち上げるようにします。
4 ポールは、やや短めにして、前足のか
かと付近について、足の蹴りと一緒に、
身体を持ち上げるのを助けます。
下り坂
1 後傾にならないようにまっすぐ(鉛直)に
立ちます。下を見ないで前を見るように
しましょう。
2 後ろの足をまげて、前の足を送り出し、
かかとから着地します。
3 前の膝を曲げ、体重を前足に移動します
が、前足に体重がかかり過ぎないように
しましょう。
4 ポールは、やや長めにして、前の足にか
かる体重を腕と足で分散するように使い
ます。
5 下りは特に膝を痛めやすいので、歩幅
は狭めで、膝を柔らかく使って、かかと
着地を徹底して緩やかな重心移動を心
がけてください。
下の連続写真は、陸上競技の日本選手権に競歩で出場した経験のあるS氏のウォーキングフォームです。およそ12kmのスピードで歩いているとみられます。「えっ?これって走ってるんじゃないですか?!」と思われる方も多いと思われるくらい、力強さと滑らかさの両方を感じさせてくれる理想的(究極的)な歩き方です。この歩きで20km、30kmを1時間半~2時間半で歩いてしまうというのですから、驚きです。誰もがこの歩き方とめざそうというのではなく、筋力と全身持久性と技術が伴えば、人間ってすごい歩きができるんだという紹介です。
そういえば、江戸時代にお伊勢参りなどで、東海道を多くの老若男女が徒歩で往復していたそうですが、そのときの1日平均移動距離は約10里(40km)だったそうです。およそ5万歩に相当する歩数になります。これもまた驚く数字です。現代人は1日1万歩も大変なのに!人間ってすごい運動能力を秘めているんだなぁ、と思います。
1 足を入れたときに、かかとが安定しておさまり、まっすぐに立てるか。
2 かかと部は衝撃を和らげてくれて、適度なクッション性があるか。
3 靴裏(ソール)の形状は、歩く路面に合っているか。グリップ力が悪く滑ったりしないか。
4 足の甲の形状が靴とあっているか。紐の最上部は締めすぎない。
5 つま先は、足の指が自由に動かせるゆとりをもっているか。
6 足の幅が靴と合っているか。足の屈曲部と靴の屈曲部が合っているか。
靴の種類
1 靴裏(ソール)のグリップ力が強く、芝生や砂利道でも安定するタイプ。
2 舗装された道で歩きやすく、通勤でも使えるタイプ。
3 ジョギングに向いた軽量タイプ。
4 山道や悪路に向いたくるぶしまで覆ったハイカットタイプ
有酸素運動のすすめ!
歩く(ウォーキング・ノルディックウォーキング)、走る(ジョギング・ランニング)、自転車をこぐ(サイクリング)、泳ぐ(スイミング・アクアビクス)、スキーを履いて歩く(クロスカントリースキー)などの運動を有酸素運動と呼んでいます。これらの運動に共通する要素は、運動の強さが中等度レベルで、数十分は続けられるという点です。運動を持続させて行うことで、ます必要な酸素をからだのなかに取り込む能力(心肺機能)が鍛えられ、取り込んだ酸素やエネルギー源を全身に供給する循環器系の能力も高まります。エネルギー源として糖(グリコーゲンやグルコース)だけでなくい、脂肪を多く使うようになるのも特徴です。
多くの現代人は、慢性的な運動不足状態にあり、それによって悲観や糖尿病や高血圧などの生活習慣病と発症する危険性が高くなっています、そんな不健康状態と解消する救世主が、この有酸素運動です。有酸素運動を継続実践することで、脂肪が燃焼され、血糖値や血液脂質も改善がみられ、血液や血管の状態が良くなることで血圧も標準域に近づくことが多くの研究で実証されています。
有酸素運動の代表例
有酸素運動の効果を上げる方法
「毎日歩いているのにぜんぜん痩せないわ!」といった声をよく聞きます。運動効果を上げるために、運動内容や他の生活習慣を下記を参考にもう一度見直してみましょう。
1)運動は1日あたり30分くらいは行っていますか?
厚労省は、1週間で2,000キロカロリー以上の身体運動をおこなように提示しています。そうすると、1日あたり300キロカロリーですね。一般に日常生活での活動で1日200キロカロリーは動いているものです。あと100キロカロリーを運動すればよいのです。それが、ウォーキングなら、約30分間になります。1日おきなら1時間ですね。
2)運動の強さが中等度「楽だ~ややきつい」の間ですか?
運動強度が弱すぎるとカロリー消費も少なく効果が上がりにくいです。また強すぎると持続できません。中等度の目安は、自覚的な感覚では「楽だ~ややきつい」の間です、運動中に立ち止まって脈拍を計れるようなら、(210-年齢)×0.6~0.8くらい(60歳の方なら、90~120)になればOKです。
3)日常生活でよく動いていますか?
日常での生活動作には個人差が大きいようです。できるだけ車を使わないで歩いたり、自転車を使ったり、階段をよく昇り降りしたりする習慣が大切です。
4)食生活をチェックしていますか?
食べたいだけ食べていたのでは、運動しても成果はでにくいものです。栄養バランスを考えた上で、低カロリーをめざしましょう!とくに間食と飲み物に入っている糖分が盲点になりやすいです。