みなさんが住んでいる地域の身近なところには、大切な“歴史”を刻んだ石造りのものがたくさん残っています。
たとえば町のはずれやお墓の入口に頭巾や前掛けをつけた六体のお地蔵さんを見かけたことはありませんか?
お地蔵さんはふつう、道端や峠や墓地の入口などに立ち、お坊さんの姿で右手に錫杖という杖、左手に宝珠という玉を持っています。正しくは地蔵菩薩と呼ばれ、お釈迦様が亡くなってから56億7千万年後に弥勒菩薩という仏が現れるまでの間、人々の苦しみや悩みを救うといわれています。
写真の石碑は大山に通じる道が別の道と交差する場所に建てられた道標で柱の右側に「南 ゆせき、作州※」の文字が見え、石の下
段には碑をたてるために協力した人の名前が刻まれています。
このように普段ほとんど意識してみることのないお地蔵さんや石碑は、実は地元の歴史を物語る貴重な文化財なのです。こうしたお地蔵さんや石碑について、それらが作られた時代や理由をおじいさんやおばあさんに聞いたり、図書館などで調べてみると、自分の知らない歴史を発見できるかもしれません。身近な歴史を訪ね、是非新しい発見を体験してみてください。
※道標には道の南にある地名が記されています。「ゆせき」は関金の町、「作州」は岡山県北部のことです。