現状・課題

  県内企業は、下請体質の企業(下請型構造(売上重視・低収益))が大半で技術開発型企業が少なく、マーケティング(市場戦略・市場調査)力が弱い状況です。また、県内の優れた技術や商品が、必ずしも市場での販路拡大につながっていません。県産業の特徴である液晶関連産業等は、集積度は高いですが、県内企業間の部品調達の連携が薄い状況です。

 企業と大学等をつなぐ調整機能が弱いため、研究開発成果の事業化に課題があります。知的財産の十分な理解とビジネスへの活用が少ない状況です。工場が単なる製造工程として位置付けられ、企業内の統廃合や他地域への移転の対象となっています。

 国内外に打って出る力強い県内各産業等や、多様な産業分野の連携による新たな産業の創出等に当たり、それらを支える高度な知識・技術・能力を持った人材が不足しています。また、本県は新たな事業が積極的に生み出されてくるような社会風土・環境が醸成されているとは言い難く、次世代の育成にはチャレンジ精神をもった新たな価値を創造するアントレプレナー(起業家)を輩出していく必要があります。


取組の方向性等

  1. 中小企業をしっかりサポートし、元気企業の集積を目指します。ベンチャー企業や既存企業への経営支援体制の充実及び金融制度・技術支援体制の強化により、企業が発展する環境を整備し、企業体質を強化します。県内技術を生かした新開発製品を行政が試行的に使用することなど、県内企業の活動を支援します。
  2. 電子・電機・液晶関連産業、自動車部品関連産業や、食品・健康科学(バイオ関連)、環境産業、医療機器産業など次世代産業分野の集積を促進します。
    優秀な人材育成と相まって、地域内で拡大再生産ができる土壌を形成します。
  3. 県内企業の増設と県内外企業の新規立地を促進します。鳥取自動車道開通のメリットを活かせるよう、県内工業団地の整備を促進します。
  4. 産業デザインを活用した経営戦略の構築や知的財産を産業に活かす事業活動等を通じて、総合的デザイン力を活かして商品提案型・市場志向型企業への転換を図るデザイン戦略や知的財産を活かしたビジネスモデル(ビジネス手法)を展開します。「情報の内容」に関する産業であるコンテンツ産業など、アニメ、ゲーム、音楽、コミック等に係る著作権等に着目・活用したビジネスモデル(ビジネス手法)を展開します。
  5. 高度な専門性を持つ人材の育成と相まって、県内製造業等の高付加価値化を進め、マザー工場(研究開発部門と一体化して新商品や高付加価値製品の試作・開発が可能な工場)への転換や新規立地を促進します。
  6. 社会資本形成のほか、災害対応、除雪等の際の地域貢献も大きい建設業等の優れた技術力と人材を守り育てるとともに、新分野への進出に対し農商工観(農林水産業、商工業及び観光業の各分野)が連携し、必要に応じてフォローアップ(手当)するなど、県内産業構造の転換に対応した新分野進出を支援します。
  7. 産業界、大学等、金融機関及び公共機関によるいわゆる「産学金官」が連携し、県内産業の活性化を支える高度な知識・技術・能力を持った人材を育成・確保します。
    また、若者が起業などにチャレンジしやすい環境を官民連携で創出します。
  8. 高等教育機関・専門高校と地域産業界が協働・連携し、鳥取のものづくりを支える将来の専門的職業人及び地域産業界のニーズに応じた職業人を育成します。液晶や情報通信システムに対応できる高度な知識・技術を持つ人材を創出します。

主な目標指標

項目 現状 目標
経営革新計画承認件数 272件(平成11~19年度の累計) 440件(平成11~30年度の累計)
企業立地件数 19件
 (平成19年度)
150件 (平成19~30年度の累計)
農商工連携による事業化件数 30件 (平成20~30年度の累計)
  

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