【日本海新聞 とっとり女性活躍応援プロジェクト記事シリーズ8】
建設業の「井木組」『実力評価、職域広げる 才能や感性生かせる職場に』
建設業の「井木組」(琴浦町赤碕、井木敏晴社長)は、女性の現場監督や次長への就任など、男性の職場というイメージが強い建設現場で、女性の才能や感性を生かせる職場づくりを進めている。
総務部次長の八嶋美佐緒さん(51)は2012年に女性で初めて次長に昇格した。10年ほど前、女性社員は事務員だけで営業は男性のみだったが、ここ数年で女性が増え、営業やリフォーム担当では男女数はほぼ同じだ。
全社員数は約120人で女性は約20人。そのうち課長・係長クラスは5人を占める。土木1級・2級や1級建築士の資格を持つ女性が増え、実力が評価されて昇格した。
八嶋さんは「女性の次長が誕生して女性役職者の見本ができると、『自分も頑張れば管理職になれる』と、目標にする女性も出てくる。女性が頑張ることで男性にもいい刺激を与える」と社内の風潮に変化を感じている。
建築工事部主任の田原梨香さん(33)は1級建築士の資格を持つ。設計の基本図などを描く傍ら、事務所や工場などの修繕工事の現場で施工の最終判断をする現場監督として働く。田原さんは「まだ分からないことも多く、勉強しながら取り組んでいる」と話す。
同社は、女性に不利だった慶弔規定も見直し。香典など慶弔金の支給は同居する家族に限られ、別居すれば実の両親でも支給されなかったが、実親なら別居でも支給されるようにした。
(日本海新聞 平成26年12月24日掲載)