【日本海新聞 とっとり女性活躍応援プロジェクト記事シリーズ9】
鳥取銀行(鳥取市) 『活躍の場拡大に力 主任制度導入、PTも』
約700人の従業員のうち、4割を女性が占める鳥取銀行。女性の活躍する機会を増やそうと「主任制度」を新たに導入したほか、内部業務や窓口に偏っていた女性の職域を渉外や融資部門にも積極的に拡大。昨年4月には時間外勤務の「削減宣言」を行うなど、仕事と子育ての両立を支援している。
取り組みの成果が少しずつ表れ、営業職の女性は全体で約60人と3年前の3倍に。役職者に占める女性の割合も18.3%(2012年)から23.3%(14年)に上昇した。
“女性目線”の取り入れも大切なポイント。女性行員によるプロジェクトチーム(PT)を一昨年の春に立ち上げ、CS(顧客満足)とES(従業員満足)向上や、女性の活躍の場拡大に力を入れる。
PTの提案は頭取や役員に直接伝わる仕組みで、実現が早い。行動指針「とりぎんスタンダード」の改定に取り組んだほか、子育てや介護に関する社内の制度や行政の支援、先輩たちのエピソードも網羅した社内向け冊子「仕事と子育て応援ハンドブック」を作成した。
メンバーで人事部調査役の長戸奈緒子さん(50)は、自身の子育て経験も踏まえ「冊子には『こんなのがほしかった』という思いを込めた。制度の周知や先輩のアドバイスによる不安解消が大切」と話す。職場の理解促進にも役立っているという。
一方で「若いうちに成功事例を積むことができれば、出産育児を経ても不安なく働き続けることができる」と長戸さん。女性行員がキャリアデザインのイメージを描ける職場であることが重要で、キャリアアップ研修にも力を入れ、若手行員のモチベーションアップを図っている。
(日本海新聞 平成27年1月9日掲載)