鳥取県には、古代の人びとが残した数多くの遺跡があります。
そのなかで、国や地域の歴史を理解する上で欠くことのできない遺跡が「史跡」として保存されます。昔々のすがたによみがえる史跡の復元とは?
Q 史跡って何?
A 史跡は「わが国の歴史を理解する上で欠くことのできない遺跡」で、貴重で国民的な歴史遺産として保存されるもの。国によって指定された史跡のほか、都道府県、市町村がそれぞれ指定している史跡もあるんだ。
縄文・弥生時代のムラの跡、古墳時代の墓、古代の役所や寺院跡、戦国時代から江戸時代の城跡など種類もいろいろあるよ。
Q 県内の史跡は何ヶ所あるの?
A 現在、全国の国史跡は1,700件ほど。このうち県内の国指定史跡は31件、県指定史跡は19件あるんだ。鳥取県では、国内最大級の弥生時代のムラの跡である妻木晩田遺跡や、弥生時代の暮らしに関わる数多くの遺物が出土している青谷上寺地遺跡、法隆寺と並ぶ国内最古級の仏教壁画が発見された上淀廃寺跡などが国史跡の代表的なものだよ。
Q どんなものを、どのように復元するの?
A 遺跡や遺構を保護するための盛り土をした上で、古代の暮らしや当時の建物がイメージしやすいように立体的な建物や墓などを復元したり、保存された本物の遺構を見てもらう覆屋、史跡を理解するための展示・学習施設や解説板などを設置したりするんだ。また、史跡内を歩いて見てまわれるような遊歩道なども整備するよ。
Q 史跡の復元で苦労することは?
A 復元にあたっては、発掘調査の成果に基づき、設計や材料・技法などしっかりとした検討に基づいて行われることが大切だ。たとえば、妻木晩田遺跡の復元建物は、建物の部材が腐り残っていないため、ほぼ同じ時代の青谷上寺地遺跡から出土した建物部材などを参考にして、なるべく当時の建物に近いように復元しているよ。
古代の寺院跡である上淀廃寺跡では、金堂跡や塔跡が発見されているけど、本物の土台(=基壇)は地中に保存し、その上に型取りしたレプリカを置いている。建物こそ復元されていないけど、お寺の配置や規模がわかる工夫がされているんだ。
このように、遺跡を保護しながら、なるべく昔のすがたがイメージしやすいように復元する作業は、地道な作業なんだ。
Q 史跡って何か難しいイメージがあるけど?
A 古代の人々は、どんなところに住んでいた? 何を食べていた? どんな道具を使っていたの? 住まいとムラのようすは? さまざまな疑問のヒントが史跡にはちりばめられているよ。県内には、復元された史跡が数多くあるし、古代体験ができる学習施設が整備されている史跡もあるので、ぜひ足を運んでほしいな。