公文書には、いわゆるカタカナ語が多く用いられていますが、その中には一般的にはあまり定着しておらず、意味のわかりにくいものも多く見受けられます。県民に分かりやすく、理解してもらえる公文書であるために、カタカナ語を安易に公文書に用いることなく、適切な日本語に言い換えるなど分かりやすく配慮を行う必要があることから、この度カタカナ語の使用に当たっての考え方の目安となる指針を策定しました。
1 カタカナ語の定義
外来語・外国語のほか、和製英語やアルファベットを使用した略語(頭字語)や通称を含む。
2 外来語・外国語等の取扱い
(1)広く一般的に使われ、既に定着しているもの:そのまま使用することができる
<考え方>
・年齢・職業等にかかわらず、誰もが理解することができる用語か
・特定の専門領域のみで使用されている用語ではないか
・複数の概念を併せ持っていたり、意味が曖昧な用語ではないか
<そのまま使用することができるカタカナ語の例>
ア 既にカタカナ語として日本語に定着していると考えられるもの
例:アイデア、イメージ、ストレス、ボランティア、リサイクル
イ 人名、地名、国名、会社名など固有のものを指し示す語、あるいは計量・通貨などの単
位を表す語であって、言い換える必要がないもの
ウ 他で使用されている言葉等を引用する場合
(2)一般への定着が十分でないもの
ア 分かりやすい言い換えが可能なもの
(ア)使用しない(日本語に言い換える)
例:アウトソーシング→外部委託、アジェンダ→行動計画
(イ)日本語を併記して使用する
例:インサイダー(内部関係者)、ガイドライン(指針)
イ 分かりやすい言い換えが困難なもの
(ア)使用しない
(イ)注釈や説明を加えて使用する
(ウ)その他分かりやすくなるよう工夫する(前後の文章から意味が分かるようにする)
3 アルファベットを使用した略語(頭字語)・通称等の取扱い
(1)広く定着していると考えられるもの:そのまま使用することができる
ア 和訳などの併記なく、単独で使われる場合が定着しているもの
例:PTA、PR、NTT、JR
イ 他で使用されている言葉等を引用する場合
(2)一般への定着が十分でないと考えられるもの
略語、略さない表記、和訳語、注釈等を適切に組み合わせて表記する。
(ア)ADR(裁判外紛争処理制度)
(イ)裁判外紛争処理制度(ADR)
(ウ)ADR(Alternative Dispute Resolution:裁判外紛争処理制度)
4 その他一般的な注意事項など
(1)カタカナ語の専門用語をその専門領域の関係者に対して用いる場合などは、日本語へ言い換えると、かえって理解を妨げる場合があるので、状況によっては言い換え等を行わない判断をすることもできる。
(2)その言葉の意味が分からないと文章全体の理解に支障が生じるような重要語についてのカタカナ語の使用は、より一層慎重に取り扱うこと。
(3)国や他の地方公共団体が使用しているカタカナ語であっても、安易な使用は控える。
(4)新しい事業や計画等の名称にカタカナ語の造語を使うこともよく見受けられるが、その場合も、この指針の取扱いに沿って判断すること。
(5)カタカナ語の専門用語の多い報告書、計画書などには用語説明欄を設けること。