「何でも話せる雰囲気つくる」
建設業は圧倒的に男性が多い。その中でがむしゃらに働いてきた。「元々負けず嫌いもあるが、会社や家族、周囲の協力、理解があって今まで働けたと思っている」と振り返る。 主に公共工事を扱う土木一部で工事長を担い、施工管理や安全、品質、予算などを統括する現場監督をしている。
現在の会社に入社したのは約20年前。上の2人の子どもは小学高学年で、末っ子はまだ4歳だった。自分ではなかなか言い出せなかったが、自宅から近い現場にしてもらったり、参観日に行けるよう会社がいろいろ配慮してくれた。「子どもたちには我慢をさせた部分もあったと思う。その中で上司や同僚の温かい気持ちを感じ、仕事を続けていくことができた」と感謝する。
子育ても一段落し、職場ではお母さん的存在に。「一つの現場をつくるには絶対下請けさんや職人さんの力がないとできない。だからすべてオープンに、何でも話せる雰囲気づくりを意識している」と強調する。
建設業は女性の視点を生かせるさまざまな業務があり、施工管理などを行う山下さんの業務にはほとんど力仕事はない。工事の規模によるが、現場責任者を2、3人体制にして仕事を分担し合う体制も整え、急な用事ができても休みを取りやすい職場環境になっている。
山下さんも当初は不安もあったが、臆せずいろいろチャレンジすることで自信を付けていった。「管理職になると責任も大きく、不安だからなりたくないという人もいると思う。しかし、責任を持って頑張る姿はきっと子どもにも悪くは映らないはず」。充実した表情を見せる。
【写真説明】現場で工事の打ち合わせをする山下さん(中央)
(平成30年7月25日(水)掲載)