「農業楽しむ女性増やしたい」
今年６月、鳥取市農業委員会（72人）の会長になった。遊休農地を解消する人と農地のマッチングなどを支援する農業委員会の女性会長は鳥取県初、全国（１７０３組織）でも24人しかいない。少しはにかんだ表情で「私はチャレンジャー」と宣言する。
躊躇がなかったわけではない。家事を含め、ラッキョウや梨作りを切り盛りする農家の大黒柱。会議や研修、出張など組織の代表としての仕事に時間を取られると、分業で成り立つ家族経営の農業との両立が難しくなる。
しかし、農業の担い手を確保して特産品の産地を継承、地域を盛り上げていくためには、農業就業人口の半数近くを占める女性の力が欠かせない。自分が先頭に立って、風穴を開けたいと考えた。
仲間もいた。「とっとり農業女子ネットワーク」の立ち上げに関わり、同じような境遇で頑張っている女性たちが身近にいることを知った。それぞれ高いスキルを持っていて、頼れるその存在は心強かった。夫も「家のことは心配いらない」と背中を押してくれた。
地元の鳥取市福部町では約３年前から「らっきょう女子会」を結成。10アールの農地を確保して、30～40代の女性たちと一緒にラッキョウ栽培の研究に取り組む。
「ものを育てる農業の仕事は女性の得意分野でもある。目指すのは楽しく農業に取り組む女性を増やしていくこと」
不安もあるが、一人ではない。仲間づくりを進めながら、農業のイメージアップに力を注ぐ。
【写真説明】二十世紀梨の選果作業に取り組む浜田さん
（平成３０年９月１１日（火）掲載）