多重債務は、最初は子供の遠足費が足りないとか、生活費が足りないといった、ちょっとしたきっかけで貸金業者から借金することから始まります。こうしたことは、誰にでも起こり得るのです。決して、一部の浪費家に限られたものではないのです。
返済しきれない借金(多重債務)を抱えている方々の多くは、次のような状況に置かれています。
- 多重債務者は借金の返済のために借金を繰り返し、状況を悪化させています。
- 日々の取立てに追われ、次第に余裕を失い、冷静な判断ができなくなります。
- また、誰に相談して良いかも分からず、苦しんでいます。
- それでも借金を返済しなければ、という思いに駆られてヤミ金融に手を出してしまう人もいます。
- 追いつめられた結果、自殺してしまう人もいます。
このため、多重債務の問題は早期に解決すべき問題なのです。
毎月の返済額は同じでも、高金利ほど返済負担は重くなり、また返済に要する期間も長くなります。
(例) 100万円を借り入れ、毎月2万5千円を返済する場合
各年利ごとの「元利負担」と(返済期間)
- 年利5%の場合、「110万円」を返済(3年9か月)
- 年利15%の場合、「139万円」を返済(4年8か月)
これまで、貸金業者の場合、出資法の上限金利(改正前29.2%)と利息制限法の上限金利の間の金利帯でも、一定の要件を満たすと、有効となっていました。これが、いわゆる「グレーゾーン金利」です。
平成22年6月18日以降、出資法の上限金利が20%に引き下げられ、グレーゾーン金利が撤廃されました。これによって、上限金利は利息制限法の水準(貸付額に応じ15%~20%)となります。なお、利息制限法の上限金利を超える金利帯での貸付けは民事上無効で、行政処分の対象にもなります。出資法の上限金利を超える金利帯での貸付けは、刑事罰の対象です。
貸金業者から毎日のように厳しい取立てがあると、落ち着いて自分の借金と向き合うことができず、冷静な判断など到底できません。
しかし、この取立てをすぐに止める手立てがあります。それは、弁護士や司法書士といった法律専門家や裁判所から、この相談者の借金の整理について依頼を受けているということを貸金業者に通知してもらうのです。このような通知(これを「受任通知」と言います。)が貸金業者のもとに届いた後は、貸金業者が直接債務者に取立てることは法律で禁じられているので、相談者に対する取立てはストップします。
どんなに多額の借金を抱えていても、必ず解決の方法はあります。
具体的な解決方法は、
○任意整理
弁護士等に依頼して、
貸し手と話し合って、借金の返済方法や金額を決め直す方法。
●ポイント
利息制限法により引き直し計算することで、
過払金の返還を受けられる可能性がある。
○特定調停
裁判所に申し立てをして、
調停により、借金の返済方法や金額を決め直す方法。
●ポイント
裁判所を利用して行うので、費用を安くおさえられる。
○個人再生
裁判所に申し立てをして、
借金の一部を3年間程度で返済することを条件に
残りの借金を免除してもらう方法。
●ポイント
住宅ローン特別条項により、
住宅を失わずに借金を整理することも可能。
○自己破産
裁判所に申し立てをし、
生活必需品を除いた全財産を換価して貸し手に返済し、
残りの借金は免除してもらう方法。
●ポイント
免責が許可されれば、早期に借金から開放される。
○専門の消費生活相談員が、
多重債務・ヤミ金融等のご相談をお受けします。
>連絡先等は、
こちら(各消費生活相談室へのリンク)をご覧ください。
○多重債務・法律相談会(無料)
消費生活センターでは、
毎月1回弁護士、司法書士等が対応する相談会を開催しています。
>開催日程等は、
こちら(多重債務・法律相談会へのリンク)をご覧ください。
深刻化する「多重債務」や「ヤミ金融問題」に対し、被害の未然防止や相談体制の充実を図るため、県庁内各課や市町村、関係団体等と連携を図っていくものです。
○多重債務・ヤミ金融問題等対策協議会構成員名簿
機関・団体名 |
鳥取県弁護士会 |
鳥取県司法書士会 |
(社福)鳥取県社会福祉協議会 |
日本司法支援センター鳥取地方事務所 |
鳥取県銀行協会 |
日本貸金業協会鳥取県支部 |
公益財団法人鳥取県暴力追放センター |
財務省中国財務局鳥取財務事務所 |
鳥取県教育委員会事務局高等学校課 |
鳥取県警察本部生活環境課 |
鳥取県商工労働部経済通商総室 |
鳥取県生活環境部消費生活センター |
鳥取県総務部税務課 |
鳥取県福祉保健部福祉保健課 |
鳥取県福祉保健部長寿社会課 |
鳥取県福祉保健部健康政策課 |
鳥取県生活環境部住宅政策課 |
鳥取県金融広報委員会 |
鳥取市 |
米子市 |
倉吉市 |
境港市 |