高齢化や若手入職者の減少が著しい建設業界にあって、就業者の性別や価値観、ニーズ等の多様性を受け入れて人材確保を進める取組が必要とされています。
この度、女性活躍に係る先進的な取組の「講演」と、県内経営者と女性技術者等による「ワークショップ」で構成するセミナーを開催し、誰もが働きやすい建設産業とするための方策について、関係者で考える機会を持ちました。
講演では、有限会社ゼムケンサービスの代表取締役・籠田淳子(こもりたじゅんこ)さん(*)を招き、「女性がもっと活躍できる建設業界とは?」と題して、建設業における女性活躍に係る先進的な取組について講演をしていただきました。
この中で、個性を活用するために個人の違いを組織に内在化させることや、業務の代替を可能とする仕事の細分化により、得意な人がカバーするワークシェアリングの発想等、独自の着眼点で女性と男性を活用していく考え方を多数示していただきました。
また、若者は、男女が一緒に取り扱われるのが当然の世代であり、「危ない」と女性を技術者として現場に立たせられない等、旧態依然とした思考が優秀な女性の流出につながるとの話もあり、私たちも今一度足元を見つめ直すことが必要と感じました。
講演内容.pdf(2019年9月12日 15時23分 更新 220KB)
引き続いて、「建設産業で女性が働き続けることができますか?」をテーマに、県内経営者と女性技術者等によるワークショップにより、誰もが働きやすい建設産業とするための方策についてグループに分かれて意見交換を行いました。
限られた時間でしたが、「一つのポジションの仕事を二人でまかなえる体制づくりが大切。」とか、「山陰は女性の流出県。まずは彼女たちを引き止めるための魅力発信が必要。」、「話しやすい環境を構築することが、女性だではなく男性も働きやすい職場につながる。」等、各グループからの発表があり、女性活躍の視点を起点とし、性別や世代の違いを超えて、業界のあり方を模索する意義深い意見交換会となりました。
ワークショップでの意見・講師講評.pdf(2019年10月3日 13時59分 更新 106KB)
セミナーで得られた新たな発見は、今後の県施策の立案等の参考にするほか、参加者それぞれの職場等のあり方を見直すきっかけとして活用していただきます。
〔セミナーの概要〕
〇日時 令和元年8月28日(水)午後3時から午後5時まで
〇会場 鳥取県庁第二庁舎(4階)第34会議室
〇主催 鳥取県、とっとり建設女星ネットワーク
〇対象者 県内建設業経営者、女性技術者(技能者)、土木系学科を専攻する女子大学生、県職員(女性土木技師)、他県の建設業女性ネットワークメンバーほか 〔出席者:約40名〕
(*) 講演講師・籠田淳子氏のプロフィール
建設産業女性活躍推進ネットワーク副幹事長、建設産業における女性活躍推進に向けた新計画策定委員会委員等、多くの公職を務めるとともに、内閣府「女性が輝く先進企業表彰」特命担当大臣表彰等、受賞歴も多数あり。