仕事面白く女性活躍できる業界
卒業後の進路選択時、手堅そうなイメージから入社した建設コンサルタント。製図や数量計算など先輩技術者の補助から始めた。20代後半には発注者の元へ出向いての打ち合わせから設計、関連部署との調整まで、プロジェクトを一通り任されるように。コツコツと積み上げる作業がさほど苦にならず、完成した構造物が残る喜びに「自分に向いているかも」と気づいた。「早く実務経験を積み重ねたい」と増える仕事量を精いっぱいこなした。26歳で結婚、出産後も「家族に全面的にサポートしてもらい」、乗り切った。結果、この業界一筋だ。
転職を経て、2013年に現在の企業に入社。管理職として後輩を育てる側にもなったが、複数のプロジェクトを受け持ち、現場を進める毎日は変わらない。「みんなで目指そう」という職場の雰囲気に後押しされて4年前、難関の「技術士」国家資格取得を決意。今春、ついに突破した。合格率12%程度、女性の有資格者は全国2千人ほどで、県内でも自身を含めて5人。「資格に恥じない説得力を付け、クライアントが満足できる仕事を」と気持ちは引き締まる。
この業界の仕事の面白さや女性も活躍できることを発信する役割も求められる。1月、この業界関係者が集まる「鳥取県女性技術者の会」ができたばかり。今後、勉強会や交流会が予定されている。「今働いている女性には仕事が続けられるように、この業界はハードルが高いと感じている女性にはそのイメージを変えられるように。会の活動を充実させる一助になれたら」。会社と家庭以外の世界が広がれば、さらに楽しくなりそうな予感がしている。
【写真説明】打ち合わせを行う田子さん(右から2人目)
[令和元年8月29日(木)日本海新聞掲載]