生産性高める気配り、着眼点
従業員の6割が女性。自動車と農業建機の部品(ワイヤハーネス)製造などを手掛ける工場内で、製造ラインの主力を女性たちが担っている。
試作段階の製造ラインや機械の使い勝手を評価する場面でも、女性の細やかな視点が生産を改善に導く。例えば自分たちが作業する台の高さなど、製造作業の効率を上げていくための的確な提案が多いという。
「女性の気配りや着眼点が生産性を高めていくことにつながる」と期待する川口幸男社長(56)は「適正な人事評価などで男女公平にリーダーへの道を開いていきたい」と力説。現在3分の1程度を占めるグループ長、ライン長、チームリーダーと呼ばれる職場責任者の女性の登用をさらに進めたい考えだ。
女性の登用を進めるため、家庭と仕事の両立支援と休暇を取りやすい職場づくりに着手。部署単位で計画的に休暇取得できるよう有給休暇取得奨励日を設定したほか、消化できなかった年次有給休暇を最大年5日、長期の療養や介護・看護等のため次年度以降に積み立てて活用できる制度を導入した。
介護の社内勉強会も立ち上げた。女性管理職の一人で管理チームのリーダー森長明美さん(55)は「一人で悩まず、誰にでも相談できる職場の雰囲気をつくり、『自分にもやれるんだ』と女性の意識を前向きに変えていけたら」と会社の未来を展望する。
【写真説明】製造ラインで働く女性従業員
[令和元年9月25日(水)日本海新聞掲載]