コンクリ素材でアクセサリー
「今度は球体のアクセサリーができないかな」。デザイン画を手に、同社の女性社員4人がアイデアを練る。アクセサリーの素材に使うのはコンクリートだ。
本来はブロックや側溝などコンクリート製品の製造販売メーカー。アクセサリー開発は業務部次長の藤森聡子さん(41)を中心に昨年始めた。きっかけは同社を訪れた業界紙関係者の「コンクリートのアクセサリーが欲しい」の一言。スマートフォン用スピーカーなど建設以外でのコンクリート製品を作るプロジェクトが社内にすでにあり、その一環として女性陣で手掛けることになった。
第1弾はピアス。コンクリートの重厚さや無機質なイメージをよい意味で裏切る繊細さや軽さと、かわいいデザインを両立させた。「反響は予想以上」と山根正樹社長(60)は目を見張った。多くのマスコミに取り上げられ、産業技術系のフェア出展に声が掛かるようになるなど、会社を知ってもらう切り口や層が広がった。実際にこの事業を契機に同社を知り、今春入社した女性もおり、今アクセサリー開発に加わっている。
藤森さんらは「課題をクリアしていく過程や購入された時の喜びがやりがい。他社にないものを作り続けたい」と充実の表情。山根社長は「社員同士の工夫や協力で新しいものを形にする風土がより醸成されそうだ」と期待して見守る。
【写真説明】新作の案を練るプロジェクトのメンバー
[令和元年10月25日(金)日本海新聞掲載]