新しいことに挑戦できる環境
男性が多く働く、現場事務所でサポートという業務に携わって6年半。当初は書類作成や土木の知識もなかったが、相談しやすい職場環境と向上心で"縁の下の力持ち"の役割を担ってきた。
大学では農学部で学んだ。授業での船上山ダム見学をきっかけに建設産業に興味を抱き、合同企業説明会で同社が現場支援部門の新設を考えていることを聞き、女性でも現場に携われると入社を希望した。
業務内容は現場事務所での工事関係の書類作成や写真管理など。砂防堰堤(えんてい)工事では土砂の含水比の測定や写真撮影などで現場に出る機会もあった。地元説明会の資料や毎月の工事の進捗状況を伝える広報誌作成も任された。「少しでも工事に親しみを持ってもらえるよう、イラストも使い、レイアウトを工夫した」と、自分らしさを出しつつ、工事現場と地元との橋渡しに努めた。
さらに土木工事について知識を深めようと、資格取得にも挑戦。昨年、1級土木施工管理技士にも合格した。「ドローンなどを活用した測量や3次元モデルを活用した取り組みなど新しい技術を習得し、現場に還元していきたい」とさらなる成長を見据える。
現場は男性社会のイメージがある。女性を配属するにあたり、女性用のトイレを設置するなど徐々に環境も整備されてきた。現場のサポート業務はこれまで1人だったが、昨年、後輩の女性が2人配属され、指導する立場にもなった。プレッシャーも感じたが、女性が増えるうれしさの方が大きかった。「現在の建設産業は男女とも新しいことにどんどん挑戦できる環境がある」。同じ業界で働く若手が増えることを願っている。
【写真説明】現場事務所で資料作成の指示を受ける西尾さん(左)
[令和元年10月30日(水)日本海新聞掲載]