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自己実現へ自己研鑽を

 3人目出産後の育児休業を終え、職場復帰した鳥取営業部で初めて肩書が付いた。係長、主任を経て36歳で部長代理に。待ち受けていたのは子育てと仕事の両立の壁。生活のバランスが変わった。「仕事の割合が増え、家族の協力なしには乗り切れなかった」と振り返る。
 部長代理として担った個人営業(資産運用)は、入行以来長く経験した支店の窓口業務とは仕事の質が違った。初めて直属の部下を持ち、特に年上の部下との接し方に戸惑った。中でも、経験不足をどう埋めていくかが一番の課題だった。分からないことは何でも相談した。信頼できる先輩に支えてもらい、現場をよく知る部下にも聞くなど、常に自分から歩み寄ることを心掛けた。一人では何もできないと思ったからだ。
 「今のままで足りないなら、勉強しないといけない。子育てで時間に制約がある中でもセミナーに参加したり、本を読んだり、勉強して分かることが増えれば、それだけ自分の自信になるはず」。キャリアアップに必要な道筋を自らの経験と重ねる。
 今年7月、鳥取県庁支店の支店長となった。今は、若い行員たちの育成に情熱を注ぐ。「自己実現のために、自己研鑽(けんさん)を忘れないように」とエールを送る。
 周囲の期待に応えたい気持ちはある。「無理だと思い込まず、これからもとにかく挑戦してみようと思う。そのために努力することはまだたくさんある」と自らを鼓舞する。

山陰合同銀行
【写真説明】タブレットを見ながら、仕事の打ち合わせをする嘉本さん(左)

[令和元年11月25日(月)日本海新聞掲載]


  

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