アイデアひねり絶品アイス
牛乳にヨーグルト、アイスクリーム…。食卓に欠かせない乳製品の生産から販売まで一貫して手掛ける組合の事業の中で、アイスクリームの商品開発や既存商品のリニューアルを担当する。
ものづくりや食品に興味があった。自身も子どものころから慣れ親しんでいた組合商品に愛着があり、インターンを経て就職。大学工学部で専門にしていた微生物の研究とは直結しないが、4年ほど前に配属された今の業務は「難しい課題を解決した商品が発売できると誇りを感じる」と、やりがいが大きい。
昨年から同じ部署に後輩が配属された。アドバイスや指導をする過程で、逆に気付かされることもあり、自身の成長にもつながっていると実感している。結婚、出産後も働く女性の先輩、同僚が多い職場環境も、業務に専念できる大事な要素だ。「実際に働き続ける先輩たちを見て、安心感を持っている」。モデルとなる人々の存在は、自身の将来像を描きやすい。
日々、コンビニやスーパーなどで気になる商品を購入したり、さまざまな雑誌を読んだりと、新商品開発に向けたアイデア探しに余念がない。パッケージデザインや表示内容の作成も担当するため、消費者の嗜好(しこう)が絶えず変化する時代の流れを読む努力は欠かせない。しかし企画を練り上げ、自信を持って送り出した商品の売れ行きが振るわないこともある。目標とする販売数量や販売金額に届かなければ、リニューアルや販売中止の道をたどる。シビアな側面にプレッシャーも感じるが、「お客さまから『おいしかったので、これからも頑張ってください』などの意見をいただくと励みになる」。もっとよい商品を届けたい気持ちを胸に、次のチャレンジができる環境に身を置ける感謝の気持ちを忘れず、次のアイデアをひねり出す。
【写真説明】真剣なまなざしで新商品の開発に取り組む門脇さん
[令和元年12月14日(土)日本海新聞掲載]