仕事も育児も前向きに全力
カニや魚介類の加工品を製造する現場で品質管理の仕事に携わって7年目。工場内の温度管理や衛生環境の点検、原料や製品の検査などを担当し、「食の安心・安全を支える重要な仕事。お客さまに喜ばれる商品を届けたい」と、やりがいを持って仕事に取り組んでいる。
品質管理の仕事は初めてだったが、大学でバイオテクノロジーを学んだこともあり、「やってみたい」と、一歩を踏み出した。当時、娘は1歳。仕事と育児の両立ができたのは、「上司や同僚の理解と家族の存在があったから」と振り返る。
働き方を変えたのは、昨年4月。娘の小学校入学を機に、フルタイムから短時間勤務に切り替えた。時短勤務への切り替えは、社員の状況に合わせた短時間勤務制度の柔軟な運用、育児目的休暇の導入など、男女ともに働きやすい環境づくりに積極的な姿勢がこの企業にあったからできたこと。「おかげで娘と向き合える時間が増えた。本当にありがたい」
そして勤務時間が短い分、効率や優先順位をより真剣に考えて仕事に取り組むようになった。短時間勤務や看護休暇など「育児・介護休業法」が定める支援の対象は、子どもが3歳になるまでか小学校就学前まで。実際は子どもの就学後ほど働き方に悩む人は多い。
仕事でも育児でも「大切なのはコミュニケーション。自分の考えを持ちながら、相手の話に耳を傾け、理解し合いたい」と考えている。
とはいえ、葛藤もある。今年、食品の衛生管理研修で宿泊を伴う出張に行ったとき、娘は「行かないで」と泣いた。だが、仕事も育児も今しか経験できないことがある。この先の働き方はまだ模索中だが、「現状維持で満足せず、やれることをもっと増やしていきたい」と将来を見据える。
【写真説明】効率よりかつ丁寧に検査などの仕事に取り組む角さん
[令和元年12月14日(土)日本海新聞掲載]