防災・危機管理情報


  新型コロナウイルスに感染した人にとって最も重要なのは、必要な治療が速やかに受けられることです。県は、推計される最大の感染者数にも対応できる十分な医療体制を整備。私たち一人一人も基本的な感染予防を続けることで、新型コロナ対策をより一層強化できます。

新型コロナウイルスの特徴

  新型コロナウイルスは人に感染するコロナウイルスの一つ。コロナウイルスには一般的な風邪の原因になるもののほか、重症急性呼吸器症候群(SARS(サーズ))や中東呼吸器症候群(MERS(マーズ))もあります。
  ウイルスは、飛沫(ひまつ)・接触によって口や鼻などから粘膜に入り込んで増殖。新型コロナウイルスに感染すると、発熱や咳、味覚・嗅覚の異常、だるさ、息苦しさなどの症状があります。発症前にも他者へ感染させる恐れがあります。

新型コロナウイルスの電子顕微鏡写真
新型コロナウイルスの電子顕微鏡写真(提供は国立感染症研究所)。表面の突起が王冠(ギリシャ語でコロナ)に似ている

出典 厚生労働省「新型コロナウイルス感染症(COVID‐19)診療の手引き第2.2版」

急増に備え対策充実

  新型コロナによる緊急事態宣言が解除され、人の往来が戻りつつあった今年の7月。首都圏を中心に感染者数が増加し、同月29日には、1日の国内新規感染者が初めて1,000人を超えました。県内でも7月以降感染者が増加。鳥取大学医学部の景山(かげやま)誠二(せいじ)教授は、この状況を「世界では日本を超える規模の感染者が出ている国が圧倒的で、国際空港のある都市は、影響を受ける。国内の都市も同様、さらにその都市での感染増の影響を本県も受けている」と分析しています。
  感染者が増えると心配されるのは、医療機関の病床不足です。県は国よりも厳しい条件下で推計した患者数を基に、必要な病床数を算出。県内の各医療機関に協力を得、推計の患者数を上回る病床を確保しました。入院加療が必要な患者数に応じて、病床と治療に当たる医療従事者の数を段階的に引き上げます(下記グラフ参照)。また県は、感染による肺炎重症者の増加に対応できるよう体外式膜型人工肺(ECMO(エクモ))の追加整備を支援、13台が稼働可能に。
  一方、医師や看護師を守る対策も必須です。病院内の間仕切り設置や動線分離、陰圧室整備など院内感染防止策を強化。さらに、手術や気管挿管など感染リスクの高い治療や分娩での感染を防ぐため、対象者のPCR検査を行います。
  新型コロナ感染を調べるPCR検査。県は、短時間で多くの検体採取ができるドライブスルー方式を全国で初めて導入しました。加えて検査装置の増設や、短時間に判定できる抗原検査の実施により、1日の検査数は196から700を目指します。症状のない感染者が多いとの推定に「発症者の申告を待っていては、流行の連鎖を断ち切れない」と景山教授。幅広い検査が「感染の鎖」を断つことに役立ちます。

景山誠二教授の写真
国内外の状況から流行を分析し、効果的な対策を県に助言する専門家チームの景山教授

エクモの写真
体外式膜型人工肺「ECMO(Extracorporeal membrane oxygenation)」

陰圧室の写真
室外より気圧を下げ、病室内の空気を外に出さない

感染者と接触しないよう、病院内を区分け
院内の区分け写真1
院内の区分け写真2

ドライブスルー方式の検体採取の写真
屋外での検体採取により、院内感染のリスクを減らす

検体採取後の現場の写真
新型コロナウイルス感染が疑われる人の検体を採取した後の現場。採取者は防護服を着用し、感染から身を守る

感染を調べる検査

  新型コロナウイルス感染症の代表的な検査方法にPCR検査、抗原検査、抗体検査があります。それぞれの特徴から、目的に合った検査が行われます。

PCR検査
  検査対象(どんな時に) 感染が疑われる時や治療に必要な場合などに実施
  調べるもの ウイルスを特徴付ける遺伝子配列
  分かること 現在感染しているか
  精度 抗原検査より少ない量のウイルスを検出可
  判定時間 1時間から5時間

抗原検査
  検査対象(どんな時に) 感染が疑われる時や治療に必要な場合などに実施
  調べるもの ウイルスを特徴付けるタンパク質
  分かること 現在感染しているか
  精度 検出には一定のウイルス量が必要
  判定時間 約30分

抗体検査
  検査対象(どんな時に) 診断目的ではなく疫学調査で活用の可能性
  調べるもの ウイルス感染後体内にできる抗体
  分かること 過去に感染したか
  精度 検査キットによりばらつき
  判定時間 約15分

厚生労働省ウェブサイト掲載情報(8月28日時点)および「新型コロナウイルス感染症(COVID‐19)診療の手引き第2.2版」を基に作成

病床も医療職もひっ迫させない

  県は、患者推計のピーク時を上回る病床数を計画的に確保します。小康期のフェーズ(段階)1で152床を確保、その4割が入院患者で埋まる時点でフェーズ2に切り替えて213床に拡大、フェーズ3では313床まで引き上げて、病床数と配置人員を確保、医療のひっ迫を回避します。
  感染者の入院先は、県設置の「鳥取県新型コロナウイルス感染症入院トリアージセンター」が感染者数や重症度などに応じて、適切な医療機関を調整します。

病床確保イメージのグラフ
県庁健康政策課作成のグラフを広報課が加工

予防の基本と継続大切

  医療・検査体制が十分整ったとしても、感染しないことがまず大事。そのためには、一人一人の予防継続が不可欠です。県は、新型コロナから身を守る「新しい生活様式」に県民が取り組みやすいよう「新型コロナ克服3カ条」(下記参照)を作成。県が発令する「新型コロナ警報」(下記参照)にも気を付けながら、行動しましょう。
  景山教授によると「全ての感染症予防の基本は、距離の確保と手洗い、混雑でのマスク着用」。難局を乗り切るには、基本に立ち返ることも大切です。秋から冬にかけては、風邪やインフルエンザも流行するので、より一層の警戒を。

県版の新型コロナ警報に留意

  県は、新型コロナウイルス感染症拡大の程度を3段階の指標で表した「新型コロナ警報」でお知らせします。現状や詳細は、県公式ウェブサイト「とりネット」で確認できます。
https://www.pref.tottori.lg.jp/item/1196333.htm#itemid1196333

■警報・注意報発令の目安と対応
●注意報
  【発令の目安】
  新規陽性患者数 全県で1人
  【対応】
  外出・イベント・施設 感染予防呼び掛け強化
  医療 保健所機能強化
●警報
  【発令の目安】
  新規陽性患者数 全県で1週間に6人(東部3人、中部2人、西部3人でも地区別に発令)
  【対応】
  外出・イベント・施設 不要不急の外出自粛を要請
  医療 病床・必要物資確保
●特別警報
  【発令の目安】
  新規陽性患者数 全県で1週間に6人(東部3人、中部2人、西部3人でも地区別に発令)
  病床・人工呼吸器 どちらかの稼働率50%超
  【対応】
  外出・イベント・施設 8割の接触削減(生活維持に必要な外出除く)
  医療 医療人材派遣

【問い合わせ先】 鳥取県新型コロナウイルス感染症対策本部
電話 0857‐26‐7799 ファクシミリ 0857‐26‐8143

日常に「3カ条」取り入れて

  無症状や軽症の感染者が他者に感染させることもある新型コロナウイルス。感染を広げないためには、人との距離や関わり方などについて、「新しい生活様式」の実践が必要です。日常生活のあらゆる場面に「新型コロナ克服3カ条」(下記参照)を取り入れましょう。

【問い合わせ先】 鳥取県コロナに打ち克つ新しい県民生活推進本部
電話 0857‐26‐7656 ファクシミリ 0857‐26‐8111

新型コロナ克服3カ条
(1)人と人 間が愛だ(あいだがあいだ)
  オンラインや電話で小まめに連絡を取り合って、ビジネスも気持ちもつながり強く。
テレワークのイラスト
テレワーク

距離をとろうのイラスト
他の人と距離をとろう

電話でつながるのイラスト
電話でつながる

(2)三つもの密だとミスだ(みつだとみすだ)
  飲食・買い物は感染予防対策協賛店(下記参照)や通販、トレーニング・体操は動画の活用上手に。
3密のイラスト
密閉+密集+密接

(3)幸せは予防で呼ぼう(よぼうでよぼう)
  手洗いやマスク着用などの習慣で自他共に安心できる日常に。
健康づくりのイラスト
健康づくり

手洗いとマスクのイラスト
手洗い・マスク

率先の感染予防で安心も提供
  利用を予約制にしたり、小まめな換気や間仕切りをしたりするなど「密」にならない対策をしている「新型コロナウイルス感染予防対策協賛店」。店先に掲示されているステッカーが目印です。
協賛店ステッカーの写真

【問い合わせ先】 県庁くらしの安心推進課
電話 0857‐26‐7601 ファクシミリ 0857‐26‐8171
https://www.pref.tottori.lg.jp/292810.htm

【問い合わせ先】
鳥取県新型コロナウイルス感染症対策本部(新型コロナウイルス感染症について)
電話 0857‐26‐7799 ファクシミリ 0857‐26‐8143
メールアドレス kenkouseisaku@pref.tottori.lg.jp
鳥取県コロナに打ち克つ新しい県民生活推進本部(新しい生活様式について)
電話 0857‐26‐7656 ファクシミリ 0857‐26‐8111
メールアドレス sdgs@pref.tottori.lg.jp



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