行き届いた細やかな視点
「以前に比べれば、働く環境も大幅に改善された。男女の区別なく、この仕事に挑戦してほしい」。24年目の経験豊富な土木施工管理技士は、若い力にエールを送る。
現場に飛び込んだのは31歳の時。それ以前、土木会社で事務を担当しながら、図面を基に道路や下水道を造る現場の仕事に魅力を感じていた。現実は男性が圧倒的多数で「女に何ができる」と打ち合わせに入らせてもらえないこともあった。それでも、現場での経験を積み重ね、公共工事で必須となる国家資格「土木施工管理技士」も2級、1級と取得、周囲の信頼を得ていった。
子育ては、実家の両親が代わって学校行事に参加するなど支えてくれた。「お母さんの造った道路」と自慢する子どもの姿は、仕事の励みにもなった。その子どもたちも独立した。
5月から始まった公共下水道工事の現場では、責任者として現場をまとめる。工事が完成したときの達成感が仕事を支えてきたモチベーションで、「この達成感をぜひ若い人にも味わってほしい」
現場では近隣への配慮など細やかな視点が行き届く。事務所は雰囲気も明るく、家庭の急用にもサポートしてくれる社内の環境がある。「3K(きつい、汚い、危険)は昔のこと」と強調する。山本宏幸専務から「施工管理のスペシャリストとして成長してもらいたい」と期待のまなざしを向けられると「優良建設工事表彰を一つの目標に頑張りたい」。志高く、取り組んでいる。
【写真説明】現場事務所で打ち合わせをする高田さん(左)
(令和2年6月28日(日)掲載)
※写真撮影時のみ、マスクを外しています。