原子力防災や被災者支援
未曾有の被害をもたらした東日本大震災の際、東京電力福島第一原子力発電所では、巨大な津波により、電源設備や非常用発電機が使えなくなりました。その結果、原子炉の冷却ができなくなり水素爆発が発生し、放射性物質が放出される重大事故が起きました。周辺地域の住民の中には、長期間の避難生活を強いられた上、いまだに元の暮らしを取り戻せない人が多数います。
島根原子力発電所から30キロメートル圏内に、境港市全域と米子市の一部が含まれる鳥取県は、2011年12月、原発事故に備えていち早く、中国電力株式会社との安全協定を締結しました。その後も地震による原発事故を想定した訓練の定期的な実施や、「原子力防災ハンドブック」の発行など、さまざまな原子力防災の取り組みを進めています。
県内でも2016年には、マグニチュード6.6の県中部地震が発生し、約1万5千棟の家屋が損壊しました。その際に、「震災復興活動支援センター」が中心となり、被災者に寄り添った「災害ケースマネジメント」を実施。これは、生活の再建が困難な被災者一人一人の状況やニーズを聞き取り、解決策を提案して復興を支援するもの。住宅の修繕が進まない世帯のサポートを行いました。今後の災害に備えて全県での展開を目指します。
意識高め、いま一度確認を
県中部地震のほか、さかのぼれば県内でも鳥取県西部地震(2000年)、鳥取地震(1943年)と、大きな地震が発生しており、明日にでも身近で起こる可能性があります。建物の耐震化や家具の転倒防止などを、いま一度確認しましょう。日頃の備えが命を守ります。
一方、新型コロナが収束していない今、避難所の感染症対策は必須。各市町村では、間仕切りや消毒液など、避難所の感染症対策の強化を進めています。家庭でもマスクや消毒液などの衛生用品を災害時用に備えておくと安心です。
島根原子力発電所の事故を想定し、災害対応の訓練を行う県職員
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