デザイナー育成にも注力
グラフィックデザイナーとなって約30年。現在は鳥取県デザイナー協会副会長も務め、デザイナーの育成にも力を注ぐ。
高校卒業後、一度は美容師を目指し大阪の美容学校を卒業したが、20歳の時に帰郷。地元で何をしようか迷っていたとき、高校時代の恩師の「デザインの仕事が向いている」という言葉を思い出し、デザイン会社に就職した。独学でデザインを学ぶうちに、自分の作品がどのように世に出ていくのか知りたいと思うようになり、印刷会社に転職。当時はデジタル化への過渡期で、終業後パソコンに触れ、技術の習得に励んだ。「印刷会社で働いたおかげで仕事の幅が広がった」と振り返る。
2005年に独立し、デザイン事務所「ACO」を設立。地元企業HPや企業媒体、チラシなどを作成し、最近は自費出版を手伝うライターの仕事も増えた。モットーは「クライアントとその先のエンドユーザーと共にwin―win―winの関係を築くこと」。ニーズを引き出し、課題解決への多様なツールを提案する。
県産業人材育成センター米子校や鳥取短期大学などの外部講師として、即戦力となるデザイナーの育成にも尽力。「デザインが誰(何)のために役立つのかを考えることが大事。根拠のないデザインはただの自己満足」と言い切り、なぜそのデザインなのか理由を見つける大切さを伝える。
保護猫活動にも取り組み、自宅で保護猫たちと戯れるのが癒やしの時。今後について、「情報を分かりやすく伝える『ユニバーサルコミュニケーションデザイン』を広めるなど、社会問題を啓蒙(けいもう)する作品を示したい」と目標を掲げている。
今後、デザイナーを目指す若者には「普段からアンテナを張って変化に敏感になり、それを自分でどう考えるのか、その積み重ねが大事」とアドバイスする。
【写真説明】「デザインがどのように役立つのかを考えることが大事」と話す高田さん(左)
※写真撮影時のみマスクを外しています。
(令和3年11月27日(土)日本海新聞掲載)