ゼロから造る仕事に魅力
一般住宅の新築やリフォーム、修繕、公共施設建設などの工事管理、現場監督を担う。建築業に携わって２０年以上。「もっと若い人にこの業界に飛び込んでほしい」と願う。
以前は高校の家庭科の講師に就いていたが、結婚・出産を機に退職。その後は実家の両親が営む建築会社に入った。当初は育児をしながら手伝うという気持ちだったが、徐々に現場に出る機会が増えるにつれ、ゼロから建物を造り上げていくことに魅力を感じるように。「資格がないと一人前に見られない」と考えるようにもなり、建築施工管理技士や建築士などの資格を取得した。
その後、両親が会社を畳むのをきっかけに、これまでの経験が生かせる現在の会社に入社。仕事の幅が広がり、一つの現場に対しての責任も増した。「慣れるまでは大変だったが、自分がすべて手がけることにやりがいを感じた」。積極的にコミュニケーションを図ることで知識・技術を高めた。
仕事を通じ、お客さま、現場に携わるプロの人たちなどさまざまな人と出会い、刺激をもらう。「お客さまに喜んでいただくのが何よりうれしい。自分が携わった仕事の成果を子どもたちも目にすることができるのが誇らしい」と形に残る仕事に胸を張る。記憶に残るのは鳥取中部地震直後の目まぐるしい日々。建設業協会が設置した電話相談窓口の対応に参加したり、職人も限られるので、修繕の割り当てなどの調整に試行錯誤した。復興に関わった経験は今後に生かしていく。
「この業界は仕事が大変というイメージがあるかもしれない。しかし機械化が進む中、以前のような厳しさは緩和されている」。誰でも活躍できる業界でもあることを知ってほしいと心から願っている。
【写真説明】「若い人に飛び込んでほしい」と話す杉谷さん
※撮影時のみマスクを外しています
（2022年11月28日(月) 日本海新聞 掲載）