防災・危機管理情報

　今年はオリンピック・パラリンピックイヤー。そしてねんりんピックが本県で初めて開催される年でもあり、スポーツを通じた地域づくりや健康づくりにも注目が集まります。出場を目指して競技に全力で臨む選手たち、大会をサポートし盛り上げに力を注ぐボランティアや健康づくりの分野で活躍する皆さんが、それぞれの想いや展望を鳥取県知事と語り合いました。

世代を超えた交流に期待
平井(ひらい) 伸治(しんじ)
平井知事の写真

鳥取県知事

仲間とともに、楽しく、強く
立岡(たつおか) ほたるさん
立岡ほたるさんの写真

車いすバスケットボール女子日本代表
18歳のとき車いすバスケットボールに出合い、本格的に競技の世界へ。2023年杭州アジアパラ準優勝

スポーツで交流深め生きがいに
西橋(にしばし) 孝政(たかまさ)さん
西橋孝政さんの写真

ねんりんピック2023えひめ大会鳥取県選手団代表
同大会マラソン競技6位入賞。マスターズ陸上3，000メートル、5，000メートル、10，000メートル元日本記録保持者

地域の魅力を守り、育て、伝えたい
堺(さかい) 萌夏(もえか)さん
堺萌夏さんの写真

鳥取看護大学2年
イベントや地域活動など広くボランティア活動に参加。ねんりんピックとっとり大会ボランティアとしても活動予定

運動習慣で笑みの花咲かせましょう
澤晶子さん
澤晶子さんの写真

日本健康運動指導士会鳥取県支部
健康づくりの講演・実技指導のかたわら、運動ボランティアの育成、ご当地健康体操の会の普及にも力を注ぐ

新春座談会の様子

それぞれのステージで輝く

知事　明けましておめでとうございます。今年は、いよいよ「ねんりんピックはばたけ鳥取2024」を開催します。夏にはパリ・オリンピック、パラリンピックも開催されます。スポーツに親しむ人が増えるこの機会に、競技を楽しむことはもちろん、一人一人が輝けるよう、健康づくりも前に進める年にしたいと思っています。

司会　それでは皆さんから、ご自身の競技や活動に対する想い、これまでの取り組みについてお伺いできればと思います。

立岡　車いすバスケットボールは、健常者も障がい者も垣根なく一緒にプレーできるところが大きな魅力のひとつです。私が所属するチームにも健常者の選手がおられて、一緒に高みを目指して切磋琢磨しています。また、鳥取ユニバーサルスポーツセンター「ノバリア」ができて、これからスポーツを始めようかなという障がい者の方にもたくさん出会いました。そうした横の繋がりが広がる中でアスリートとして学ぶべきところも多く、成長に繋がっていると感じます。
プレー中の立岡さんの写真

プレー中の立岡さん。真剣に取り組む中でも笑顔がこぼれ、持ち前の明るさでチームを盛り立てる

知事　昨年は杭州アジアパラ大会で銀メダルを獲得されましたね。本当におめでとうございます。パラリンピック出場、ご活躍を願って私たちも応援しています。頑張り抜く姿はやっぱり誰が見ても共感する。そういう喜びをパラスポーツの中から多くの方が感じられるのではと思います。

西橋　陸上競技は、中学時代から半世紀以上にわたって続けてきました。60歳を過ぎた頃、体力も衰えそろそろ競技から離れようかと考えていたところに、ねんりんピックの存在を知ってまた走ってみようという気持ちになったんですね。これまで3回出場しましたが、華やかな開会式や競技仲間との交流など本当に素晴らしい体験で、これからも出場したいと思っています。ねんりんピックは、高齢者の健康と生きがいづくりに繋がっていると、身をもって感じます。
2023年ねんりんピックマラソン競技でフィニッシュする西橋さんの写真

2023年ねんりんピックマラソン競技（5キロメートル）でフィニッシュする西橋さん。見事6位入賞を果たす

知事　そうした魅力が多くの方に広まって、西橋さんのようなチャレンジャーにどんどん出てきていただければと願っています。一方で堺さんのようにボランティアとして大会を支えてくださる方々がたくさんおられるのも、本当にありがたいことです。

堺　大会運営の力になれるよう精一杯頑張ります。これまでSUN ‐ IN 未来ウオークや船上山少年自然の家でのイベント、地域の活動などさまざまなボランティア活動に参加してきました。三徳山山護運動にも参加し日本遺産を守る活動に携われたことは、私の中で誇りです。大学入学を機に初めて倉吉へ来ましたが、地域の方々に温かく迎えていただき、多くの教えをいただきました。そうして学んだ地域の魅力を、ボランティアを通してたくさんの人に伝えていきたいと思っています。
2022年SUN‐IN未来ウオークでステージに立つ堺さんの写真

2022年SUN‐IN未来ウオークでステージに立つ堺さん。司会としてイベント盛り上げに力を注ぐ

知事　そうした活動での出会いは人生の中でも財産になると思います。私自身も、学生時代のボランティア活動を通じた経験が今も自分の根っこにあると感じています。

澤　私は「運動で多くの人の心と体を健康に」との理念で健康づくり活動を始めて、31年になります。近年は健康や運動に関心のある方が本当に増えたと感じていますが、実際に運動を習慣化できている方は少ないのではと思います。縁あって、ねんりんピックPRのための健康体操「咲花笑(さかえ)」を作成しました。これを広めて、ねんりんピックを応援しながら皆さんの健康づくりのきっかけにもしていただけたらなと思っています。
米子市で開かれた健康づくりセッションで講演する澤さんの写真

米子市で開かれた健康づくりセッションで講演する澤さん。参加者と一緒に楽しく体を動かす

知事　競技参加はもとよりボランティア、健康づくりなど幅広くサポートしていただき大変に心強いです。皆さんの心を合わせて、全員参加のねんりんピックにしていけたらと思います。

大会に向けて

司会　ここからは今後の展望と今年の抱負について、皆さんからお伺いできればと思います。

立岡　日本代表として、パリ・パラリンピックの舞台になんとしても上りたい。その一心で練習に臨んでいます。アスリートとして目指すことはもちろんですが、「パラリンピアン」として講演会やメディア出演等の仕事を通して発信したいという気持ちも強いです。例えば「とっとりUDマップ」のような画期的なものもどんどん知らせていきたいと思っています。

西橋　これまでの大会では地域の方や中高生などの応援があって、随分勇気づけられました。とっとり大会でも、盛り上がることを期待しています。地元開催で出場枠は増えますが、予選会は激戦です。実力者が多いですが、ぜひ代表になれたらなと思っております。

堺　倉吉に初めて来たときに感じた、地域の皆さんの温かく迎えてくださる雰囲気が、今でも忘れられません。ボランティアを通して、「ひとの明るさ」が「まちの明るさ」に繋がっているということを実感しました。単にボランティアとしてだけでなく、私自身も楽しく笑顔で参加したいと思っています。

澤　フレイル予防には運動、栄養、そして社会参加が重要です。「咲花笑」をきっかけに、皆さんが集まって運動をし、触れ合い、そして心も楽しくなることで、運動習慣の定着に貢献できればと考えています。

昇竜の如き1年に

知事　今、皆さんから夢のある抱負やお話をいただきました。ねんりんピックの成功を機に、いろんな地域づくり、健康づくりや障がい者との共生社会が前に進み、展開できれば、素晴らしい年になるでしょう。
　鳥取へ移住された方や子育てをしておられる方は若い世代が中心です。昨年は、若い世代から県が抱える課題解決のアイデアを出していただくメンバーを公募し結成した「とっとり若者活躍局」や、県庁内の若手職員のみで組織した「とっとり未来創造タスクフォース」を設けました。相互の連携から出された、若者ならではの意見をもとに、政策の転換を図っていこうと思っています。
　また、新たな交流が生まれることも期待しています。例えばインターネット上に構築された仮想の空間「メタバース空間」であれば、どこでも年齢問わず交流することが可能です。今まで鳥取に縁がなかった方たちも参加していただき、鳥取の魅力を届けられるでしょう。
　いよいよ辰年。『蛟竜雲雨(こうりゅううんう)を得(う)』（水中に潜む竜が雲や雨を得て天に舞うように、才能が時を得て力を発揮するたとえ）という言葉があります。今年、オリ・パラやねんりんピックが催され、県立美術館が完成します。県民一人一人が輝く年、鳥取県の昇竜の年になればと願っています。

司会　鳥取県スポーツ振興局長　丸山真治

パリでは必ずメダルを

2024パリ五輪水泳・飛込競技代表内定
三上(みかみ) 紗也可(さやか)さん
三上紗也可さんの写真

　今の自分があるのは、鳥取県の方々のおかげだなと強く思っています。国際大会にも何度も出場させていただいて、やっと世界のトップと競り合えるところまで来たのかなと思っています。オリンピックの借りはオリンピックでしか返せないと思っているので、来年のパリオリンピックでは、必ず鳥取県にメダルを持ち帰って、皆さんの前に立ちたいと思っています。

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