現状の打破
高校スポーツ界でもとりわけ注目度が高い「高校野球」。毎年春夏に1回ずつ甲子園球場で開催される全国大会には特に多くの注目が集まります。
鳥取県勢は1988年の倉吉東高校以来「1大会2勝」から遠ざかり、近年は初戦敗退が続くなど競技力の低下が指摘されています。
現状を打破するため、県では鳥取市へ帰郷されていた元プロ野球選手・川口和久さんに「スポーツ特別アドバイザー」を今年度から委嘱。5月には第1期指導対象校(春季県大会ベスト4進出校)への特別指導が開始されました。
まずは投手力の向上
夏の甲子園大会には鳥取商業高校が出場。初戦で優勝候補の大阪府代表・履正社高校と対戦し敗退しました。
投手の善戦を評価しつつ、「さらなる投手力の向上が喫緊の課題。投手力が上がればそれを打ち返すだけの打撃力も必ず上がってくる」と川口さんは前向きに語ります。
11月から始まった第2期では、秋季県大会ベスト4の米子北高校、米子松蔭高校、鳥取城北高校、境高校への巡回指導を今夏の県大会まで継続して行っていきます。
試合がないオフシーズンにあたる冬場の練習では、体幹トレーニングやフォームづくり等の基礎トレーニングを極めていく方針。広島カープに入団した頃もこの「基礎」の大切さを身に染みて感じたとのこと。
指導者との「協働」
アドバイザー事業を実効性のあるものとするためには、普段から練習を毎日見ている各校指導者との意思疎通が欠かせません。
県高校野球連盟指導者講習会に、川口さんのネットワークを活かし、強豪チームの指導者を招くなど、指導者レベル向上を図るための「幅広い情報の引き出しを用意している」といいます。
「遠慮せずにどんどん自分に聞いてほしいし使ってほしい」。この1年、鍛えられた鳥取球児の聖地でのアツい戦いに期待です。
高校生を前に指導方針や思いを語る川口さん
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