「ありがとう」が原動力
いつも胸に留めているのは「喜んでもらう喜び」という社是。「お客さまに喜んでいただくこと」で日々の業務にやりがいを感じてきた。この仕事の喜びを若い社員にも伝えたいと、後進の育成にも力を入れる。
県外の短大を卒業後、地元米子に帰郷。24歳のときに知人の紹介で皆生グランドホテルに入社し17年がたった。
担当するフロント業務は旅館を訪れた宿泊客と最初に接するため、旅館の評価に直結する。チェックインから客室、食事などの案内、精算までの接客で、一人一人に応じて声のトーンや話すスピードに気を配り、表情を見て適切な声かけをすることを心がけている。接客がうまくいかず落ち込むこともあったが、チェックアウトのときに宿泊客からかけてもらう「ありがとう」の言葉が仕事の原動力になってきた。
プライベートでは書店を訪れ、絵本を選ぶのが癒やしのひととき。海外の宿泊客への対応に生かそうと、児童文学の英訳本にも触れ、英語力を磨く。
2021年に管理職となってからはマネジメント研修を受ける機会も増え、若い社員への物事の伝え方を模索する。指導する難しさや自身の力不足を感じる半面、若い力が育ってきていることも実感している。
「お客さまに喜んでいただける喜びを体験し、仕事にやりがいを持ってほしい」。目指すのは県内一の旅館。社員一丸となって同じ目標に向かい、ここで働くことに誇りを持てるような環境づくりに力を注ぐ。
【写真説明】「『喜んでもらえる喜び』を後輩に伝えたい」と話す山田さん
[令和5年11月18日(土)日本海新聞掲載]